子どもがいけばな!? |
「子供の華道教室を知りませんか?」
あるお父さんの問いかけに、私は、即座に思いました。「なぜ、子供が華道を?」
はさみを使うし、まわりは大人ばっかりで泣き出してしまわないか?
そのお父さんの答えは「落ち着いた子供に育ちそうな気がするから。
華道でなくても和の習い事、ないかな」と。
子供はもともと落ち着きのないものですよね。
さらに今の子供たちはいい意味で、積極的かつ活動的。
大人顔負けの英会話能力を持つ子もいるし、幼少からピアノを習い、バレエや水泳もたしなむ子
も。そんな子供たちに「落ち着き」を与えるもの。そこに「和」の習い事が登場するのです。
たしかに、和の習い事では「動と静」とはなにであるかを身体でもって教わり、意識を集中さ
せるということを覚えます。例えば、書道。習っていたことがある人なら、墨の香りを嗅ぐと
背筋がしゃんとして、落ち着いた、厳かな気持ちになる・・ことを思い出しませんか?大人の和
ブームの担い手を育てている、書道、華道、茶道、日本舞踊、着付け・・などの習い事教室。
これらの大人教室に付与する形で、いま子供向け講座を開く教室が増えてきています。 |
親子とも満足度の高い「書道」 |
雑誌『Como』で行ったアンケートをもとに編集
された書籍『子供の習い事必勝講座』(主婦の友社刊)によると、「小学生ママの習い事満足度
ランキングTOP10」満足度第1位に、和の習い事・書道があげられています。習ってよかった!
と思える習い事に書道をあげた理由として、「人生にとって有益なことが身に付く」
「落ち着いた子に育つ」と答えているお母さんの意見もありました。「落ち着いた子どもに・・」
という親の願いに対してやはり、書道はやはり効果があるのでしょう。
●参考文献
『子どもの習い事必勝講座』コモ編集部:編 主婦の友社:発行
そういえば、以前に出会ったお母さんの書道教室の成り立ちがユニークだったので紹介します。中心は30代の主婦の方々。そこは、同じ先生に書道を習っている子供を持つお母さんたちの教室だったのです。
なぜ親たちの書道教室ができたのか?というと…子供が書道教室からその日の練習した紙を持って帰ってくる。お母さん方はその練習の筆跡をみるわけです。子供はそうしてどんどん書の腕前をあげていく。しかし、お母さん自体はあまりうまくない字のまま…。いろんな書類にサインするのは親の役目。目が肥えていく子供に「お母さん、字が汚いね」そう思われたくない、というお母さんたちの気持ちからはじまったサークル。やがて「宿題はみずからちゃんとやります。肝心なのは、やめないこと。やめたら子供にやめていいって教えることになるから」と真剣な習い事の場となっていったとか・・。
「子供には負けられないわ」と自らお手本を示す、お母さんたちのいきいきとした表情が忘れられません。和の習い事・書道には、生活に直結している(大人も子供も同じように習う)という特徴があり、これが子供はもちろん、お母さんの習い事へのモチベーションをも高めるのではないでしょうか。 |
何を身に付けるか、その目的を第一に! |
さて、再び冒頭の「落ち着いた子供に育てたい」、というお父さんの願いに戻ります。
このように、子供に何を習わせるかを決定するに当たっては、具体的なジャンルよりもまず「何を身につけさせたいか」という目的をもって選ぶことが大切ですね。
単に「ピアノを・・・」とか「水泳を・・・」でなく、「音感が発達するもの」とか「体が丈夫になるもの」など目的を設定すること。それに当てはまる習い事のなかから子供が興味を示すものを選択すること。それが親も子も納得し、長続き&習得へ繋がるのではないかと思います。
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和に心惹かれる理由って…?
私は「陶芸」を10年間続けています。
はじめの頃はうまくいかないことばかりでしたが、
いまや展示即売会や陶芸展に出展するように。
学生から社会人、そして家庭を持って子供が生まれて・・と
環境が変わりながらも、なぜ続けられたのだろう?と考えてみると、
それは「轆轤を回し創造することで社会の荒波や都会の雑踏から逃れ、
精神を統一し1つのことに没頭する」=「無心になること」。
それがとても心地よかったのではないかと思うのです。
こんな心地よさを様々な和の習い事に求め、
大人の和ブームへと発展したのではないでしょうか。
さて、私は息子に、「集中して何かをする力」というより
「何に対しても集中する力」を身につけて欲しいと思います。
息子が何に興味を示すかはわからないため、
リトミック、英会話、絵画、水泳などあらゆる分野を体験させています。
でも実際、集中力を育てるには私の場合、やはり陶芸かな・・・。
いつか息子と陶芸を一緒に、と夢見ています! |