本を読むと、メレ子さんに引き寄せられるようにおもしろい虫関連の方々が集まってきたようですね。エッセイの執筆だけでなく、イベントも取り組まれていますがこれはどういう内容のプログラムですか? 東京電機大学が新校舎へ移転して、東京・神田にある旧校舎を取り壊す前に2ヵ月間のアートフェスを開催しました。その一環として「昆虫大学」と名打ったイベントを2日間、2012年に初めて開催し、まだ一回しか実施はしておりません。昆虫に関するおもしろいことを全部そこでやろうと思って、昆虫の道のプロをたくさん招致し、お客さんは基本的にド素人。虫の魅力を教えてもらいましょう!というイベントです。大学の校舎を使っているので「昆虫大学」としました。例えば、アリの巣に住む生き物について研究者に解説してもらう講演、専門家による標本づくりの実演ショー、クリエーターの虫オブジェアクセサリー販売…といった内容です。 単に虫の研究発表みたいなのではないから、素人でも関心もって見聞きしたくなりますね。ご著書の「ときめき昆虫学」にも紹介されていますが、アリの巣って奥が深くて…読み進めているうちに笑いながら背筋が寒くなりました(笑)。 アリの巣は食べ物が豊富ですが、実はアリ以外の生き物も住んでいます。巣でアリのおこぼれをもらって生きていくために、アリに攻撃されないようアリの香りを体につけたり、においを消したりしてカムフラージュしているのです。チョウ、甲虫、ハチ、ダニ、カタツムリ、カエルなど幅広い分類群の生き物がアリの巣に関わって暮らしています。 聞いているだけでワクワクしてもっと知りたくなります。メレ子さんのユニークな視点は虫世界だけでなくいろいろ書けそうですが、これからどんな活動を考えていますか? 今、ブログが告知ばかりになってしまっていますが、もう一度初心にかえって、いろいろブログで書いていけたらと思っています。昆虫に限らず、菌や深海といった分野の研究者ともお話する機会があり、専門家の世界はどれも面白い。潜ってみると隣の部屋が空いている…という具合で、全然飽きません。 生き物全般、おもしろい世界が広がっていそうです。では最後に、虫好きな子を育てている親へ、その子の興味を大切にするために何かアドバイスをお願いします。 虫好きな子に気持ち悪いとか、怖いとか言わないであげてほしい。そこで想像力や知的好奇心が終わってしまうので。子どもは何が怖くて避けるべきものか?を周囲の大人から学びながら大きくなる途中なんです。昆虫館の学芸員さんもおっしゃっていますが、小学生を引率する先生が虫を怖がったりすると、子どもたちも同じように怖がって、触れたとしても人を脅かす道具にします。虫に限らず、気持ち悪いとか怖いと軽々しく言わないことが、子どもの選択肢を増やすことではないかと思います。 ---ありがとうございました! <了> ●メレ山メレ子さん 活動情報
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