森田先生ご自身がお育ちになった環境や子ども時代のことをお聞かせ頂けますか? 親に常に褒められていました。成績なんてちっとも良くありませんでしたが、悪いテスト結果を見せても全然叱られたことはなくて「頭の悪い子の気持ちがよくわかる学校の先生になれるね。大器晩成だね」と言われていました。これが僕の自信の水をいっぱいにしてくれましたし、コンプリメントの土台です。 すごくポジティブな言葉掛けでしたね。コンプリメントトレーニングでは、どんな風にお母さん方を指導されているか教えてください。 1日6個子どもにかけたコンプリメントをノートに書いてもらい、1週間分を送ってもらいそれを私がノート添削します。アナログな方法で、たったそれだけです。子育てに愛情と承認が必要なことは皆わかっているのですが、どう表現したらいいかわからなくなってしまう。子どもを観察してよい点をみつけ気持ちを添えて言葉にし、それを書きとめる。そうしているうちに親子関係に変化が起きて、子どもの自信の水がいっぱいになります。トレーニング終了後の相談も受けていますから支援している親御さんはかなりの数です。1日のメール数は100を超えますが、すべてに返信しています。 小学校教諭時代は、たくさん不登校児童を見てこられたのですか? 教師生活15年目で管理職になったので、教壇に立っていた時間は案外短いですが、不登校だけでなく難関クラスを受け持つことが多かったです。自信の水を少ししか入れてもらえない家庭環境ですと心のコップは小さくて自信の水も少ししか溜まっていません。学校に行くようになると益々たくさんの水を使っていますから自信の水不足のサインが出てきて、身体症状に表れます。不登校、暴力、暴言、腹痛、頭痛、抜毛、聴覚嗅覚過敏、視力低下、脱毛、依存、対人恐怖、怠惰、チック、場面緘黙、遺糞、リストカット、窃盗、深夜徘徊等々、よく言われる起立性障害、発達障害の顕著さ等も自信の水不足のサインであることが多いのです。 身体に症状が出ると薬を処方されたりしますが、不登校でも健康ですとどのような扱いなのですか? これまでの支援、特にカウンセラーや心療系のドクターは体のサイン一つひとつである身体症状を治そうとします。腹痛や発達障害の疑いなら薬を出しますが、不登校だけならば「好きなことをして、動くのを待ちましよう」と静観します。このような支援が全国津々浦々に浸透し、薬か電子機器への依存と遊んで暮らす楽しい不登校にしてしまう。たとえ高校に進学し卒業しても就職もできない「ひきこもり」となっていくのです。大学生でも同じです。不登校をきちんと治しておかないと、高校や大学で不登校となり、就職できないとひきこもりとなっていくのです。カウンセラーや心療系のドクターのしていることは、燃料を入れないで車を動かそうとしているのと同じ。燃料を入れないと走れないのです。タイヤに空気を入れても燃料切れの子どもは動けないのです。 ⇒ [3]を読む |
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