ゴンさんにとってお母様はどんな存在でしたか? 躾的なことは厳しかったと思いますが、○○しなさい…といわれたことはないです。母は僕が小さな頃は、保育専門学校の教師として働いていましたが、僕が小学3年生頃に何かあると吐いてしまう自家中毒症状になって、それをきっかけに母は仕事を辞めて家に居るようになった。帰宅するといつも居てくれる安心感はありました。まあ、だからといって密接な会話をしたこともありませんでしたけれど。 ご両親共よりよい理解者なのが素晴らしいと思います。ゲイであることをオープンにして何が変わりましたか? 何かが劇的に変わったというのは明確に言語化できませんが、明らかにカミングアウトしていなかった頃には戻りたいと思わない。35歳頃までずっとゲイでいることを伏せて生きてきたのが生活の一部で、ストレスも感じず、むしろ当たり前の作業。意識してカバーせねば…ではなく、反射神経のようにカバーしていた。でもオープンにしてからそれらを振り返るとかなりストレスフルだったなぁ…と思います。 自分の子が同性を好きになる可能性だってあります。もし身近にカミングアウトできないままの人がいたら、どんな見守り方をするのが良いのでしょう? いつだって親は子どもの幸せを願うものです。でも、自分の思い描く「幸せ像」を重ねないようにすること。アメリカではレズビアンやゲイカップルの間で育った子どもはコミュニケーション能力が高い…という調査結果もあります。皆が支え合っているのを傍で感じてきたからでしょう。「同性愛は幸せではない」という思いこみはやめて、セクシュアリティを取って幸せを考えてみてほしいです。 真実を突く視点です。では最後に著書「まずは、ゲイの友だちをつくりなさい」を読んで一番伝えたいメッセージをお願いします。 幸せのカタチは自分が経験しないとわからないもの。体験からしか学ばないものですが、意識的にそうではない幸せのカタチも捉えていかないと、世の中は変わらないです。想像する力を人間は授かっているので、それを使ってイメージして当たり前だと思っていることをもう一度考えてみてほしい。「結婚しなければならない」「子どもをつくらなければならない」という親や社会からの期待に、LGBTは現状の日本では応えられない。縛られるところから抜け出して、ゼロだからこそ新しいカタチをつくっていけるのではないかと思います。 ---ありがとうございました! <了> 松中権?書籍紹介
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