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ハエトリグモ研究者 須黒達巳さん小学校時代は誰よりも虫のことに詳しく「虫博士」と呼ばれた。
安定志向を捨て図鑑づくりに全力投球。小学校時代は誰よりも虫のことに詳しく「虫博士」と呼ばれた。

クモのことを知れば知るほど、なんだか人間社会の縮図みたいですね。図鑑にのっていないクモを見つけて、どうされましたか?

大学二年生の時、宮古島で見つけたクモが何か?をクモの研究者にメールで尋ねましたが「新種かもしれないが、標本がないと正確なところはわからない」という返事でした。それなら自分でクモに名前をつけてみよう!と思ったのがきっかけとなり、本格的に研究を始めました。新種に名前をつけるには、ほかのどの種類とも区別できるような特徴を押さえて論文を書きます。そうした手順を踏まえて晴れて新種と認定されます。僕が一番最初に名前をつけたのは「ミカヅキハエトリ」(ハエトリグモハンドブックP.41掲載)。黒い頭に黄白色のCの字型模様があり、夜空に輝く三日月を連想させます。その後も新種が次々に見つかり、論文を書き続けていたら「ハエトリグモの図鑑を出しませんか?」と編集者の方から声を掛けられました。

何がどう巡るのかわかりませんね。好きなことに取り組み続けているエネルギーって、人にも伝わりますよね。

高校生の頃からハエトリグモの撮影をしては「これは何ですか?」とメールでお尋ねしていた方は、ハエトリグモのフォトギャラリーサイトの作者さんなのですが、実は図鑑の出版社と仕事をされているデザイナーの方でした。そうした経緯からハエトリグモの図鑑を出したいとなった時に、「須黒がいますよ」と伝えてくださった。それが大学院1年修士の終わり頃のことです。

大学卒業してすぐ企業に勤めるのでなく、大学院まで進学して研究をされました。その先はどのように未来図を描かれていらしたのでしょう?

公務員か教員どちらかになろうと。かなり安定志向で、研究者は食い扶持が限られているので、このままこの道に進むのも不安がありました。周りの大人から、収入を得ることは大事と言われていたので、「安定した仕事」を志していましたが書籍企画を頂いたのは、すぐに公務員試験が控えていた時期。このまま公務員になって慣れない仕事の片手間で人生初の書籍に取り組むのは中途半端になる、と思いました。3.11の大震災もあった頃で「いつ死ぬかわからない人生で、安定を最優先事項にしていいのか?」「人生の価値観を周りに言われたことだけで決めていいのか?」といろいろ迷いながらも「今はこの図鑑に全力を出し切るのだ!」と決めて、大学院卒業後のその後2年間はフリーターになりました。

すごくマジメに積極的選択をした感があって爽快です。この図鑑に凝縮されている内容から想像するとフリーター時代、どんな2年間をお過ごしになられた?

虫の野外調査という「環境調査」の仕事をしながら収入を得ては書籍企画に投じていました。「環境アセスメント」といって道路とかダムを造る時、山を切り崩す前に、地盤や水や生態系に至るまで、そこの環境調査をしなければなりません。例えば、鷹が巣を作るような場所なら開発はしないほうが良いということにもなります。こうした環境調査の仕事は国や地方自治体などさまざまなところで管轄されています。僕は、ある地域にどんな虫・どれだけいろいろな虫がいるかの調査に参加しており、採集調査や標本の同定などの作業をしていました。2年間で10団体以上と仕事しましたが、その合間にクモ採集の旅に出て、給料が入ったらすぐにそれが次の旅費に消え、貯蓄が最低506円なんてこともありました。飲食店でバイトする…のは、クモ採集のためまとまった休みが思うように取れないので、しませんでした。

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