音大へ進学していないことも経歴としてユニークですが、農大に進学されてからはどんなことに関心をお持ちでした? 当時の農大はバイオテクノロジーに力を入れていて、森林生態学という研究はできないとわかりました。自然が好き、旅が好きという趣向から、入学後は探検部に所属。父の仕事にくっ付いて日本全国各地を旅していたので、ジプシーのような生活にも憧れていて、アラスカとモンゴルに行きたい強い想いがありました。探検部でアラスカのユーコン川へ3か月ゴムボートでくだるという体験をして、自分の中で大学は自主卒業。母は卒業してほしかったと思いますが、言っても聞かない私のことはよくわかっていました。父も反対すると思ったら、喜んでくれて「いいじゃないか?」と賛成してくれました。 どこまでもオリジナルな思考をお持ちですね。その頃は既に馬頭琴と出会っていらしたのですね。 18歳で馬頭琴という楽器には出会っていましたが、楽器だけ持っていた時期が長かったのです。後に夫となる馬頭琴奏者となかなか予定が合わず、弾きかたを教えてもらえなかった頃です。馬頭琴を演奏すること以前に、私にとって好きなのは旅や民俗学。音楽を通じて、知らない土地で初めて出会う人から、土地の由来などを聞けるのがうれしいです。一貫しているのは、私が広大な自然に惹かれること。自然とつながるための手段が音楽なのだと思います。ヴァイオリンだったら叶えられなかったと思います。 子どもの頃やっていた習い事はヴァイオリンの他にも? 水泳は幼稚園から中3まで、好きでずっと続けていました。ピアノは小3から小6。三味線は体験レッスンを小1の時に。やりたいと言ったことは何でもやらせてくれた母でした。続けるかどうか、うまくなるかどうかは別にどちらでもよかった。なぜかヴァイオリンだけはやめさせてくれませんでしたが(笑)。 習い事によって何を得られるかを最後にお聞かせ頂けますか。 体験させる自体がよいことで、自分のことをわかってくる機会だと思います。自分が好きなこと、楽しいこと。おもしろくない、嫌いなこと。人間関係も含めて、何となく世界を垣間見ることができます。私は、いろいろやらせてもらってよかったと思っています。二人の息子たちには習い事というよりも、自然に触れる体験をさせてきました。長男は、私が卒業した山形の高校に進学しました。音楽を聴いて体感できたら、音楽を求めるのではないでしょうか。 ---ありがとうございました! <了> 美炎 miho コンサート情報
■アルバム紹介 |
|