現在6歳と3歳の息子さんをNYで子育て中ですが、ご自身もNYでお育ちになった帰国子女ですね。 5歳から18歳までNYで育ちました。息子たちも日本語のほうが得意ですが、成長するにつれて英語が会話に紛れてきて、ルー大柴みたい(笑)。私はほとんどアメリカで過ごしているので日本に来ると電車さえ緊張します。慶應NY校で日本語は勉強して、大学は日本へ戻って慶應義塾大学へ進学。体育会テニス部でテニス漬けの日々でした。小さな頃はテニス選手になりたいと思って、かなり真剣に取り組んで、伊達公子さんや杉山愛さんなど当時活躍していた選手は憧れでした。9歳からトーナメント出場をして全米遠征も行っていました。14,5歳の頃、思春期でテニスを怠けたこともありましたが、高2の時テニスでちゃんと結果を残したくて再び真剣に取り組み、その甲斐あって高3時にニューヨーク州で3位になりました。 プロ並みですね!お母様も遠征に立ち会いを?お二人姉妹でどんな習い事をされてきましたか? 2歳上の姉は何でもできる人で、テニスだけでなくサッカーもバスケもうまかったですが、私はオールラウンドではなくテニスだけ。送迎は母にしてもらっていたので感謝しています。アメリカはシーズンスポーツなので姉と一緒に習い事はなんでもしました。テニス、クラシックバレエ、ピアノ、ソフトボール、サッカー、ヴァイオリン…毎日忙しかったです。私はその中でもテニスが一番楽しくて、コーチが母に「この子は才能がある」と言っていて、真剣にやり始めたのが9歳。 アメリカで自由に育ってこられたご自身のキャラクターを一言で表すと? 「一生懸命」です。私は子どもを出産するまですごく完璧主義で、家事も育児も仕事も全部完璧にしたいと思っていた。でも子育てを通じて自分自身がとても変わりました。完璧でなくていいとマインドリセットするのは努力が必要でした。育児は自分の思う通りにはなりません。完璧な育児なんて求めていたらパンクする…と思って「完璧でなくていい。自分がハッピーだと思えればそれでいい」と自分に言い聞かせ、そこから変わりました。だから部屋が散らかっていても全然気にならない(笑)。昔から仲の良い友達には「がんばりすぎないで」と言われます。 小さい子を育てているうちは特に予定通りにはいかないし、目につくところが汚れていて当然ですよ!では最後に同じ子育て中のママにメッセージをお願いします。 私がテニスを通じて学んできたことは、子どもを褒めて育てると、その時伸びなくてもこれから伸びることを信じること。今より先をもっと見てあげてほしい。12歳の時、私は東海岸のテニス7位で、ナショナルチームの試合に出ていました。20位までは出場できますが、それ以下の子は出られない。その中で勝っても負けても「あなたの、ここの、このプレイがよかったよ!」と常に我が子を具体的に褒めているお母さんがいました。その時彼女は奇しくも選外でしたが、なんと14歳の時に東海岸で1位を取り、スカラシップでスタンフォード大学へ進学しました。今はテニス関係の仕事に就いています。お母さんはその子の力を信じていたのです。私にとってお手本にしたい親子の逸話です。 今はSNSなどで他人のキラキラ生活ばかり目にしがちですが、本当に大切なのはリアルな人との関係。そしてママたちには自分自身のことを好きでいてほしいと思います。そのためにも、やっぱりたっぷり眠って過ごしてほしいです。 ---ありがとうございました! 2018年6月取材・文/マザール あべみちこ 愛波 文 書籍紹介
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