お父様が渡辺監督というご家庭で、子ども時代はどんな風にすごされてきました? 父は整理整頓ができていないと捨ててしまうので、姉と私はいつもなくなったモノを泣きながら探しにゴミ箱を漁っていました(笑)。姉は長女なので割と何でも厳しく言われていましたが、私は比較的やりたいように過ごさせてもらいました。とはいえ私の高校時代は何も考えていませんでしたね。軟式テニス部に所属して、好きな男子の話でキャーキャー同級生と話をして。目標のある横浜高校野球部の子と比べると…気楽に過ごしていました。 問答無用で捨てる!スパルタはいいですね(笑)。幼少期は何か習い事を? 母が習わせたくて通い始めたのですが、幼稚園の年長さんから三味線とお琴を習いました。実はこの2つの教師免許を持っています。習うのが日常で、やめたいと思ったことは多少なりともありましたが35歳になるまで続けてきました。そういう力が、いろいろなことにつながっていると今は思います。人前で何かすることがどちらかというと苦手でしたが、発表会などの経験を踏むうちに恥ずかしい思いも払拭されました。 すごい!継続は力なりですね。野球部精神が元美さんにも宿っていたのでは? 私は勉強もスポーツもそれほど得意ではなく目立たないタイプでした。引っ越しが多かったことも影響しているかもしれません。選手と共に日常生活を送れたことはよかったと思います。挨拶や習慣。当たり前のことですが、靴はきちんと揃えて脱ぐとか、部屋の掃除をするとか。息子も小中学校の時は、家で私が口うるさく伝えてきましたが、高校で寮生となってからガラリと変わりました。 技術面だけでなく生活面を律する心があってこそ、勝つ力がつくのですね。では、野球をはじめ習い事を始める親にメッセージをお願いします。 何か始める時の入り口は、親が習わせたいこと、子どもが習いたいことの2つあると思います。私はお琴や三味線を自分で習いたいと思って習ったわけではありませんでしたが、こんなに続けられると思っていませんでした。入口は根拠があるならどちらでもいいと思います。意味があって習わせていることなら習慣づけにもなります。息子は野球が大好きで、勉強はあまり好きではありませんでしたが、勉強をしてこその野球という私の方針で塾に週3回通いました。渋々だったこともありますが、それでも今はよかったと思っています。甲子園は、いろんな人の想いを背負って選手は出場しています。野球のプレイだけでなく、選手一人ひとりの背景に想いを馳せて、これからも応援したいです。 ---ありがとうございました! 2018年8月取材・文/マザール あべみちこ 渡辺 元美 書籍紹介
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