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ダンサー 森山開次さん中学時代はバレーボール部に所属していたが内向的であった。
一枚のミュージカルチケットが運命を変えた。中学時代はバレーボール部に所属していたが内向的であった。

勝ち負けのチームスポーツから、クリエイティブな表現の世界へ転向したのはおもしろいですね。

自分では表現することを職業にしようとは思っていませんでした。そこに一歩踏み出す勇気はなかった。大学へ進んで自分の進路を考えた時、堅実にまっとうに仕事をしていかなければという思いがありました。自分で表現したい気持ちを少しずつため込んで、二十歳過ぎて爆発して飛び込んでしまった。内向的だったからこそ、表に出てアウトプットすることに想いがあった。

ダンサーになったのは、何がきっかけになりましたか?

きっかけになったのは、2歳違いの兄が「マドモアゼル・モーツァルト」というミュージカルのチケットをくれたことです。兄はアクロ体操の選手で、体操をやりながら舞台を観るのが好きでした。彼は音楽座の体操講師を臨時で務めていて、僕がその当時、進路に悩んでいたのを知っていて気晴らしに、とチケットをくれた。僕はそれまで学校の演劇鑑賞会くらいでしか舞台を観たことがなく、あまりの衝撃と感動で大学は中退して劇団のオーディションを受けました。歌ったことも演技したこともない状態で、何も知らずに飛び込んだスタートでした。

卒業せずに中退されたというのは、相当な覚悟でしたね?

大学では国際関係学部でダンスとは関係ない分野で、飛び込んだ世界で「ここで何とかしなければ」と必死でした。50名ちょっと同期の研究生がいて、歌やダンスで評価され舞台に出られるのは数名。大学で演劇を学んでいた人や、専門学校を経て研究生になる人、幼少期からバレエを習っていた人、いろいろな人がいましたが僕は何もなかった。ここで生きていくぞという決意だけは大きかった。ただ決意だけではどうにもならないことも多く、寝る間を惜しんで稽古に没頭しました。その時期があったからこそ、いろいろな出会いに恵まれ、今があるのだと思います。

お子さんを育てているうえで、教育方針は?

自分でも意外でしたが、子どもが産まれてから視点やアンテナが変わりました。娘は今14歳、中学3年生です。ダンスは好きだけど仕事にはしないと言っています。いろんな道を見つけていってほしい。習い事も本人の意思を尊重しいろいろさせてきましたが、途中でやめたとしても経験は生きる。習い事を通して、自分がどんなことが好きで興味があるのか、知る機会になると思います。小さな頃に自分の道を見定めることができる人はすごい。僕は大人になってからようやく自分の道をみつけ、苦労も多い一方で、その分いろんなことを経験してきた良さを感じています。子どもの進路を一緒に考える時も、『人それぞれで、何かを見つけるタイミングは違う。押し付けるものではない』と思っています。内心気が気ではありませんが(笑)。

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