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劇作家・演出家・俳優 益山貴司さん5人目に誕生した女児を抱っこする父と四兄弟。
笑いも涙も凝縮した悲喜劇を創っていく。5人目に誕生した女児を抱っこする父と四兄弟。

ずっと好きな気持ちに火が付いたまま活動してこられて幸せですが、どんなものを創りたいと?

ひとつ作ると、次はこんな作品が作りたい。そしてまたこの次はこうしたいという。欲望の目標がどんどん目の前に。マラソン選手の電信柱みたいに、気が付いたらいつの間にか前に進まざるを得ない状況でした。今回、お芝居を作りませんかという話を頂いた時に、いくつかストックがあって。よく「世界が終わるぞ」的なパニック映画、宇宙人が攻めてくる設定とかありますが、世界が終わらなかった時、人はどうなるんだろう…と。明日終わりますよ!と言われて、終わらなかった時の間抜けさ。僕自身、群像劇が好きなので「終わらなかった」というのに巻き込まれて皆がどんな気持ちを抱くのだろう。どんな物語がうまれるのだろう、ということに興味をもちました。話のストックは日常の中で見つけることが多いです。こういう話があったら、または、こういうシーンがあったらおもしろいな…と。何かしらの体験に基づいて想像力が発動します。

その想像力の延長にある作りたいものとして、12月公演の「終わらない世界」の見どころは?

今作は「大人の群像劇」です。若者の青春を描くより、酸いも甘いも噛分けたオトナたちの物語が好きでして。オトナの皆さんに観て頂いて、人生の新たな発見をしてもらえたら。見どころのひとつは、1920年代のギャングものをオマージュした劇中劇。そちらもエンターテインメントとして創っていますので楽しんでいただけたらと思います。

おもしろいですね!益山さんが作るお芝居は悲喜劇が多いと伺いました、それはどういう意味で?

それはざっくり言えば関西人だからです(笑)。笑えないとツライ。同時に涙もろくて情深い。そのミックス。お笑いは笑うだけですが、演劇や物語をつくるということは笑いもあり涙もある人生そのもの。そして、最終的には美しいものを創りたい。

感情の起伏がないと作品になりませんよね。今回は舞台での作と演出ですが、映画やTVドラマなど映像での表現は、今後の予定ありますか?

映画が好きでしたので映画を撮らずになぜ演劇をしていたのか?考えますと、まずひとつには出たがりなんです。今作は出ませんが、普段は僕も役者として出まくっています。お客さんの反応もダイレクトに返ってくるのも堪えられないおもしろさがあるしスリリングです。とはいえ先日は、MXテレビで前後編40分のドラマを1本撮りました。1日で撮影しなくちゃいけない過酷な現場でしたが12月放映です。ある漫画家が締め切りに追われてコテージで缶詰になって制作しているところをゾンビに襲われる…という物語。これも悲喜劇で、最後は漫画家が希望をもって漫画を描けるか?です。

映画や本をたくさん栄養にされて創作にあたられていますが、これは絶対すゝめたいという作品は?

いわゆる名作といわれる古典は、日本だけでなく海外のものも観たり読んだりしておいたほうがいい。人間が必ずキャッチできる物語の輝きのようなものは絶対あると思う。どんなに古びていても、受け手の感性によって一瞬でまったく新しいものに生まれ変わってしまうのは素敵なことです。普段生活する人の言葉遣いとか態度とかみても、人って変わらないものなんだと思います。

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