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ドキュメンタリー映画「インディペンデントリビング」監督 田中悠輝さん小さな頃から環境活動家の父に憧れていた。(一番左)
漠然とした社会問題から「なぜ、彼らが排除されるのか?」へ。小さな頃から環境活動家の父に憧れていた。(一番左)

監督は29歳で年齢的にもお若い立場で、こうしたテーマを取り上げることはとても希少だと思います。なぜこのテーマを取り上げたのですか?

父が環境活動家(田中優さん)であることが一番大きかったと思います。子ども時代は父への憧れがあり、環境問題や原発問題を考える土台が家庭のなかにありました。そういうことにずっと関心を持ち続けていて、高校の頃は夏休みにピースボードに乗り、アジアの船でロシア行って韓国行って…という体験もできました。大学では国際学部に進んだのですが、ゼミの先生が一貫して問い続けていたのは「どんな世界で生きたいか?」ということでした。僕はいろんなことに関心はあれど、何をするかは固まっていない状態で。大学3年生のときに3.11が起こりました。被災地支援に関心はあれど被害の深刻さもわかっていたので自分が行くべきではないと判断して、勉強会などをしながら、何をしたらいいのだろう?と彷徨っているなかで奥田愛基君や、林田君と出会いました。彼らと被災地支援以外でできることを相談し、官邸前デモをまず見に行って、そのことを話し合う会をクラブでやろうという企画が始まりました。それを僕らはT.A.Zって呼んでいて、のちにSASPL、SEALDSの活動につながった。学びつつ段々と主体性をもってきたという感じです。

自分は何をすべきなんだろう?という問いかけは常に必要ですね。考えながら、人との出会いも生まれて。

ある日、奥田愛基君からお父さんの知志さん(NPO法人抱撲理事長)を紹介されて、「きみは原発の何が問題だと思っているか?」と聞かれました。僕は放射能汚染を含めて環境問題だと答えていましたが、知志さんは「僕は、労働問題だと思う」と。生活困窮者の中には生活保護を受けたくない人や、今は生活保護を利用しているが、そこからなんとか抜け出したいという人もいます。そういう人たちがやむにやまれず原発労働に駆り出されている現実。社会から排除されて、過酷な労働に使われてしまう面を知りました。知志さんの話はとてもおもしろくて、「この人のところで働きたいな」と思うようになりました。それまでホームレス支援は視界に入っていませんでしたが、生活困窮の現場での出会いを通して「ホームレス」という言葉で括り切れないひとり一人のライフストーリーがあることが見えてきました。彼らは抗えない何らかの暴力によって、ここまできたのだとわかり、「なぜ彼らは排除されてきたのか?」という背景に意識が向くようになりました。

それがベースになって今作のテーマにつながってきたのですね。「インディペンデントリビング」はお涙頂戴ではなく、登場人物が全員楽しくて。どんな人選を?

3年ほど撮影する中で、20人くらいの方にカメラを向けました。映画に出ていない方も何人かおられます。どの方も魅力的でしたが、編集の辻井さんが映像については素人の僕にレクチャーをしてくれながら「ワンシーンワンテーマ」というルールのもと、その方の言葉や映像で伝えられることは何か?を考え、重複するテーマは避け、障害種別が似ている方は取捨選択するなど、バランスをみて構成しました。最終的に登場人物は10名くらいになりましたね。

撮影中のハプニング、エピソードは何かありますか?

明日香さんとお母さんとの喧嘩のシーンは思いがけず撮影できました。もともと自立生活センター夢宙でお母さんのインタビューをするつもりでカメラを回していたのですが、明日香さんが病院の予約を忘れてしまって、それに怒ったお母さんが感情的になり、明日香さんとぶつかってしまいました。お互いセンターから飛び出してしまったのですが、それぞれにスタッフがフォローに入り、話をして、関係を保つことができた。家族だけの関係だとどうしても対立したり、行き詰ったりしてしまうところを、親子の間に夢宙センターのスタッフが入ることによって、ギリギリのところで破綻せずにいられる。そうすることで親を悪者にせず、どの人との関係も守れる。そうした営みに価値がある。現場にいて、それを強く感じました。

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