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土の研究者 藤井一至さん虫取り網を手にする藤井少年。
なぜ?本当にそうか?という疑問を大切にしたい。虫取り網を手にする藤井少年。

幼虫時代の土壌が大切というのは、人間も同じですね。藤井さんの子ども時代はどんなことがお好きでしたか?

家は富山の田舎だったので、山や田んぼに囲まれて育ちました。とはいえ、もともとは将棋が大好きなインドア派で、スコップを片手に世界を回るアウトドア派になるとは思いもしませんでした。研究者になったことも意外です。僕は自由研究がとても苦手でした。今だとインターネットで何を自由研究ネタにすればいいとか出てきますが、私の子ども時代は図書館頼みでした。みんな同じ本を見ているので、同級生のネタがかぶって仕方ありません。アゲハチョウやアリの成長過程を記録するというシブい自由研究をしていました。

小学1,2年生の頃に描いた虫の絵を拝見しましたが、とても細かく観察されています。天才の片鱗を垣間見たような。

唯一、今に生きていることといえば、石のコレクションです。綺麗な石ころを河原で拾って集め、図鑑と見比べていました。それを思い出したのは環境問題や食糧問題に関心が芽生えた高校生の頃で、石ころのことならちょっと詳しいぞ!と。好きなことなら続けられると思ったのです。食糧問題は土と関係しており、石ころに詳しい自分なら土のこともすぐに理解できるはずと打算がありました(笑)。しかし大学へ進学して土の研究を始めると、これはそんなに安直な話ではないと気づき、ちゃんと勉強しなければと思い知りました。

石ころ好きから土好きへ。どちらもナゾが詰まっていそうです。

土の研究も観察から始まります。専門家になろうとするとハードルが高いですが、研究者は何かを「知りたい」と思っている人なら誰でもなれます。研究というと、遺伝子や人工知能など、何かすごいことを調べないといけないふうに勝手に敷居をあげてしまいがちです。でも、研究のテーマは自由です。例えば、ミミズが雨降った後にコンクリートで干からびて死んでいますよね。あれは、なぜなのか?ある研究者は「酸素不足で土から出てくる」といい、またある研究者は「異性と出会いたいからだ」という。まだ結論は出ていないんです。「知りたい」と思うことと、「なんでだろう?」と考え続けられること。研究所や大学で職員にならないと研究ができないわけではなく、身近なところに研究の材料はあるものです。もちろんそれを深めようとすれば継続は必要で、調べ続ける覚悟は要ります。でも、科学する心をもって、「なんでこうなんだろう?」と、ああでもないこうでもないとステップを踏んで、楽しめて研究できれば一人前の研究者だと思います。

日常に「なぜだろう?」はたくさんありますね。子育てにも生かされていますか?

保育園に通っているうちの娘は「男はレンジャー、女はプリキュア」という固定観念を持ちつつあって、それは根づかせまいと思っているところです。一方で、大きくなってから気軽に男子トイレに入られても困りますので(笑)、大事なところは押さえたい。世の中の常識として教えられることが、自由な思考を制約するのは嫌だなと。一方で、穴掘りや家庭菜園に同行させてしまっているので、どうしても偏った趣向になりそうで心配しています。穴掘りの技術ではなく、親が楽しくやっているところを伝えたいです。

家庭菜園は研究の延長で上手に育てていますか?

土のプロは家庭菜園のプロと思われがちですが、そんなことはありません。これまでは長期出張のたびに野菜を枯らしてしまっていました。これがステイ・ホームになってから、かなり成功しています。これは収穫でした。最初は野菜嫌いの娘の食育にと思って始めた家庭菜園でしたが、水やりは楽しんでも結局食べてくれません(笑)。今育てているのは、かぼちゃ、じゃがいも、トマト、そら豆、スナップエンドウ、ピーマン、ほうれん草、キャベツ…すべてプランターで育ててます。ひと通り自分で育てて、失敗して、そこから学ぶという意味では研究と似ています。

観察力の鋭い自由研究は、絵もよく描けている。

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