音大附属での思い出はたくさんあると思いますが、これは!というエピソードは何でしょう? 校内演奏会です。演奏が上手な生徒として私が選ばれることはありませんでしたが、うまい演奏よりおもしろい演奏って何だろう?といつも考えながら同級生の演奏を聴いていました。 技術でなく心に響く音楽とは…という視点を既にお持ちでしたね。ピアノの他に習い事は? バレエを幼少期から5年生頃まで。一旦中断して中学生から大学生の途中まで。後半は発表会に出るなどもせず、週1でバーレッスンを受けていました。あとはバレエの先生から案内された来日公演に行って感動を受けたこともよく覚えています。 ピアノにバレエに指揮に…とユニークな道のりですが、未来の子どもたちに伝えたい言葉をお願いします。 自分が疑問に思ったことは忘れないでほしい。それが自分を拡げるきっかけになり、可能性を拡げる最大のチャンスだからです。私は小さな頃から漠然と音楽を仕事にしたいと思っていたけど、「ピアノの先生の他に、社会で役立つ音楽の仕事は何があるんだろう?」と中高生時代はよく考えていました。ピアノの先生、音楽の先生しか出会ったことがなかったからです。知らないことを抱えて、何がどうなっているんだろう?という疑問から、ユニークな道のりが始まります。 なるほど。疑問を持つことが原点ですね。では親世代に何かメッセージを。 形になるか、花咲くかどうかは、人によっていつになるか、どういう花になるかもわからないものです。でもそこで得た文化への理解は、人間として豊かに生きるベースになります。子どもの頃にピアノを習っていた人が大人となって観客としていらしてくださるのも花開くことの一つの例です。どんな習い事をしても、その核となる哲学や考えを教えてくれる先生に、出会えるといいですね。生きる知恵、哲学の詰まっている芸術に触れると、お金でないことに価値を見出せますし、豊かさにつながると思います。そして短絡的に結論づけないことも大切ではないでしょうか。文化とは短期間で計れるものではないですし、習い事であっても、人生を決める道になるかもしれません。何がきっかけになるかわからないですから。 では最後に2022年の抱負をどうぞ。 新国立劇場バレエ団では、「エデュケーショナル・プログラム」以外にも「ニューイヤー・バレエ」や「吉田都セレクション」、「不思議の国のアリス」を指揮する予定です。また、今春3月に新国立劇場バレエ団プリンシパル・ダンサーの米沢唯さんと、バレエ音楽をテーマに江東区主催のトークイベントに参加します。初の試みで楽しみです。そして今年は演奏会の仕事もあります。コロナ禍でも、絶対に健康でい続けたいと思います! ---ありがとうございました! 2021年11月取材・文/マザール あべみちこ 冨田 実里 活動紹介
スタッフ
キャスト 2022年2月26日(土) 14:00
キャスト 2022年2月27日(日) 14:00
プログラム
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