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■落合さんは幼少期、どんな過ごし方をされていましたか?
戦後の焼け野原で、何もない時代でした。
でも、遊びに関しては子どもは天才ですから、木の切れ端、釣り、野山を駆けたり、
自然がたくさん残されていたので遊ぶのには事欠きませんでした。
■落合さんは、どんなタイプのお子さんだったのですか?
子どもをタイプに分けるのは間違っていると思います。
つまり、活動的でもあり内気でもある。一人の人間がいろんな面をもちあわせている。
大人が思うほど枠にはめられないでしょうし、はめてはいけない。
私の小学生時代は、花や虫など図鑑が好きでした。
当時、大人が喜ぶ本、お姫さまの本では満足いかず、事実をドラマティックに描いている本に惹かれました。
絵本は戦中戦後ほとんど無い状態で、戦後しばらく経ってからやっとさまざまな作品
が生まれた。私の幼少期には書籍そのものが少なかったのです。
■今、物が豊かになってクレヨンハウスにもたくさんの親子が訪れていますが、立ち上げられた当時は先駆け的な意味でも色々なご苦労がおありだったのではないでしょうか。
何でもそうでしょうけれど、何かを新しく立ち上げる時は思い入れもありますし、エネルギーは費やせるものです。
でも、難しいのは継続していくこと。
立ち上げた頃の思いを広げつつ、深めつつ続けるのは大変なことです。
クレヨンハウスは、絵本と女性についての書籍と、
オーガニックな素材にこだわった商品を販売しています。
それらどれもたいせつ。どれかを一番にしないこと。
誰かが幸せになるために、犠牲にならないこと。
すべてがオーガニックの考え方に結びついているのです。
■お母様は落合さんにとってどのような存在でいらしたのですか。
身近な大人の中で一番尊敬できる大人でした。母と出会えたことは本当に幸せでした。感受性豊かな人で、声を荒げて怒るようなことはまずありませんでした。
そして、教養のある人で、決して人を選別しませんでした。
本に関して言えば、私はたくさん読みましたが、自分のお小遣いの中で計画的にどの本を買うか、考えるプロセスも『読む』うちに入っていました。
机の上の学歴がすべてではないことを教えてもらいました。
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