漫画家
楳図かずお (うめずかずお) さん http://umezz.com/ 1936年和歌山県高野山生まれ、奈良県育ち。 幼児期から絵を描くことに非凡な才能を示し、 小学4年のとき漫画を描き始め高校2年のとき描いた『別世界』が1955年に出版されプロデビュー。 『口が耳までさける時』『へび少女』『人こぶ少女』などのホラー作品で日本中の少年少女たちにトラウマを刻みつけ、後に“ホラー漫画の神様”と呼ばれる。 1967年『猫目小僧』を発表し、1976年『妖怪伝・猫目小僧』としてテレビアニメ化。 また、1972年からは『漂流教室』を連載。荒廃した未来の世界で生き抜く子供たちの姿をリアルに描き、1975年小学館漫画賞受賞。 一方、1976年からは『まことちゃん』を発表。シュールなギャグが大ブレイクし、 “グワシ”は、社会現象に。楳図のトレードマークは、赤白ボーダーのシャツと、この“グワシ”である。 また、自らバンドを組み、作詞・作曲・ボーカル・振り付けを手がけ、1975年にLP『闇のアルバム』を リリース。他にも『おろち』『洗礼』『わたしは真悟』『神の左手悪魔の右手』『14歳』など多数の漫画作品があるが、驚くほど時代を先取りした内容であるため、楳図を“預言者”と呼ぶ人も。 また、1994年には後楽園ゆうえんちで「楳図かずおのおばけ屋敷 安土家の祟り」をプロデュース。 2005年にデビュー50周年を迎え、作品の映像化が相次いだ。 腱鞘炎悪化のため漫画の執筆を休んでいるが、5ヶ国語学習や音楽活動、TV・映画・雑誌の出演などで多忙な毎日を送る。 漫画の枠を超え芸術・エンターテインメント全般に渡り稀有な独創性を発揮し続ける、 宇宙一ロックンロールな天才芸術家!
■私は小学生時代、先生の漫画が大好きでした。
町の子どもたちが集まる公民館にも先生の漫画がたくさんありましたが、 いつも争奪戦で。 あの棺おけの中に入れられてしまった女の子が、自ら脱出して老婆になって 仕返しをするお話なんて身震いしながら何度も……(笑)。 それは「紅蜘蛛(べにぐも)」ですね。1月に復刻版が出ましたのでぜひ買ってください。 ■先生の作品はイマドキのアニメにはない人間の心理というか、 派手なアクションとかないのにヒタヒタと怖さがしみてくるような凄さがあります。 テーマはどのようにお考えでいらしたのでしょう? 僕の漫画はバーチャルではなくアナログ。生っぽい怖さが僕の持ち味だと思います。 人間の心理を描きたいと。 「怖い」というこだわり。怖いことは嫌だけれど人間の基本なんです。 恐怖がない生物はいないんですね。恐れがあって、それを避けたいと思うから生き物は進化する。人間はいくらでも恐怖のもとがあるわけです。 ■先生の作品「漂流教室」は、その「恐怖」を描ききった最たるものではありませんか。 環境自体がどちらを向いても怖いところに放り込まれた子ども。 そこからどうにかして生きていこうとすれば、頑張るしかないわけです。 「漂流教室」という作品では環境問題を描いていますが、そうした言葉では表現して いないのです。テーマそのものを言葉として出す場合もありますが、まずお話として 受けとめてもらえるようにしました。 当時、車の排気ガスによる光化学スモッグが問題視されており、ストーリーの中にも それは織り交ぜました。そこから広がっていったお話です。 ■書き進めているうちにストーリーが変わっていったのでしょうか? いえ、大筋のストーリーは最初から立ててありましたので。 細部についてはその場その場で多少はアレンジしていましたが。 ⇒[2]を読む |
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