部活動ではなく読売のジュニアチームに通われて、ご飯を作るお母さんも 大変でしたよね。当時はどんな毎日、一週間でしたか? 練習は水曜から金曜、試合が土日ありました。 練習や試合のない月曜と火曜もグラウンドへ行ってたので、ほとんど毎日でした。 親やコーチから言われてやっていたわけでなく、好きだから球を蹴って触っていない と気が済まなかった。 そんなサッカー漬けの毎日で、親には心配されて「ちょっと、あなた大丈夫?」と 聞かれたりして(笑)。学校から帰宅後、家に用意されたものを食べ、一人で用意して 電車で通っていましたね。 高校生になってからは学校の部活動でサッカーを選ばれて。またこれまで と違う環境になったのでは? 読売のジュニアチームには家を引っ越して通いきれなくなったこともあって、高校へ進学後、間もなくして退部しました。幼い頃から厳格な父から「おまえは高校でサッカーをやってみろ」と。チームワークとか鍛練について言われました。僕は皆で輪になって心のない「オー!」という掛け声も嫌いでしたから。生意気なサッカー部員でしたから、いじめられたりもしました。 高校時代の練習はハードでしたか? そうですね。今の時代では考えられない間違ったトレーニングとか、練習中に水を飲んではいけないと言われ我慢大会みたいこととか、ありましたね。でも、僕は真面目にそういうの受け止めなかった。常に抜け道を考えていました(笑)。それと、僕は食べ物とか人間とかにあまり嫌いなモノがない。辛いことも楽しく変換できるタイプなので、辛くて大変という感覚が薄かったかもしれません。 北澤さんが指導者をされる団体には、プロになるのを夢見て集まる子も多いのでは? そうですね。子どもよりも親のほうが期待をして入部されるほうが多いかもしれません。案外、基礎的な練習ばかりで「これで上達するのでしょうか?」と心配される親御さんもいらっしゃるくらいです。僕が言えるのは、何事も基本を押さえること。僕よりもっと上手な選手をこれまでたくさん見てきましたが、上手な選手だからプロになって活躍するというわけではない。もちろん自分自身で選んで置かれた環境で、必然的にやらなければならない練習 や経験はありましたが、偶然に出会った人とかチャンスがあったからこそプロに進むことができた。言ってみれば偶然と必然の組み合わせによって今は成り立っているものだと思うのです。 |
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