中学校の部活動でバレーボールを選択されたのは、何かきっかけがおありでした? 熊本では部活動にスポーツを選択するのが普通のことで。バレーが好きで始めていないのです。スポーツをやりたくて、たまたまバレーだったというだけで。違う競技だったらこんなに長く続けられないですよね。バレーボールは保守的な僕にとって合っているスポーツでしたから。サッカータイプ、野球タイプ、ラグビータイプ、とスポーツによって性格が分かれます。バレーボールはネットを挟んで闘うし、相手に点を取られても、内に内にと闘志を燃やす穏やかな性格の人が多い。サッカーやラグビー、バスケットなどは相手とぶつかるスポーツは、負けず嫌いでこんちくしょう!という気合いがないと闘えません。 ネット越しで「このヤロー!」なんて言うと反則になりますし。バレーボールは「みんなでがんばろうね」という「和」を重んじるスポーツなのです。 和を大切にされるインドアのバレーボールから、アウトドアのビーチバレーになって気持ちも変わりましたか。 6人制のインドアバレーボール時代はキレイ好きでしたね。泥んこまみれになるわけでないし、ちょっと汗かくとTシャツも洗濯するし、ソックスなんかも丸めて脱がずにビシッと干しておく几帳面さ。それがアウトドアのビーチバレーになると泥まみれ、砂まみれ(笑)。コンビを組む相手との関係でオッケーなら、それでいいわけです。 そもそもビーチバレーに転向された理由は? 「オリンピックに出たい」という夢があってビーチバレーに転向しましたが、僕は4年周期で物事を捉えています。小中高大学と人としてステップアップしてくる。実業団になってからは全日本へという目標。でもそれが叶うと次の目標が見当たらなかった。煮えきらずパフォーマンスも伸び悩んだ時期がありました。早くその目標を設定して、切り替えたかった。ビーチバレーをやりたかったというよりも、ビーチバレーを通じてもう一度物事にチャレンジをしたかったのです。 ビーチバレーを選択されて、一番大きな変化というのはどんなことでしたか。 僕はビーチバレーをやるタイプの人間ではないんです。安定志向だし、闘うことを好まないし、大きなチャレンジを今までしてこなかった。着実な歩みとか、太い安定した橋をずっと渡っていたような。だからこそ一度はやってみたいという気持ちがあった。実業団で6人制バレーをやっている時は、会社からお給料をもらって何の不安もなくプレーに徹することができた。でも、ビーチバレーは何の保障もなく、これで食っていけるのかという経済的な不安はありました。体力的な面ではなく、経済的なチャレンジという面が大きかったですね。収入面はゼロからではなく、むしろマイナスからのスタート。でも、どうにかなるだろうと。そこで初めて「やんちゃ」になれた。 |
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