いろいろ不安要素もおありでしたのに、なぜビーチバレーを続けられたのでしょう。 すぐに結果を出せるような競技ではないので、3年間はとにかく頑張ろうと。そのやみくもさがよかったのかな。後ろも振り返らず、先のことも案じず、ただ足元だけを見てあきらめなかったことでしょうか。6人制バレーから転向したことで、僕は6人制に対して負い目もあった。6人制のバレーでもう一度チャレンジする選択もあったのでしょうが、僕はまったく別の世界へ目を向けた。僕が窮屈に感じた6人制で頑張り続けている人もいる。それぞれがどこで自分をいかせるかを見極めているのでしょうね。 バレーボールという共通のスポーツでありながら、インドアとアウトドアの違いは勝敗に影響があるものですか。 ビーチバレーはその日の天候や風向きにも左右されます。もちろん練習量も大切ですが、練習量が多いからといって勝てるわけでもない。砂浜でやるスポーツですから故障は少ないですね。なので、選手としての寿命がインドアよりも長いかな。ビーチバレーは自分自身をコントロールする「セルフマネジメント力」を求められるスポーツ。練習メニューをどうやっていくか、試合の戦術をどう捉えるか、すべての決定権は自分にあって、コーチと一緒に作り上げていくもの。6人制の場合はコーチの方針に従って、チームの和を守ることを要求されるわけです。 堅実に積み重ねる力とか、自分をコントロールできる力というのは、小さい頃から培ってこられた能力でしょうか。 親にそれなりに反抗したこともありましたが、どちらかというと手のかからない子だったと思います。例えば、テストでいい点を取るためには勉強しないとならない。勉強するには机に向かう時間が必要。……そんなふうに連動して物事を考えて、今自分には何を求められているのか受けとめる。もちろん子ども時代はそんなふうには思っていませんでしたが、やんちゃをしない分、冷静でした。 これから生まれてくるご自身のお子さん、そして今育ちつつある子どもたちには、どんなふうに育ってほしいと思われますか? 僕みたいのと反対でいいです。あれもこれもダメと制約せずに、自然に触れてほしい。生後1週間で砂に埋めます(笑)。海の中に1歳未満で放り投げてもいいと思っています。そういうことから何かを感じ取ってほしい。自分なりにビジョンを描いても、うまくいくこともあればいかないこともある、それも経験です。そのズレをどういうふうに修正していくかを考えることは、得意な方かも。これから生まれてくる我が子の子育てに全力投球してみたいですね。 僕はビーチバレーをするまで、砂遊びなんて泥遊びと変わらないものだと思っていましたが、砂の上というのは子どもたちの五感を刺激するもの。裸足になってみて、砂で何かを作ってみたり、温かさやざらつきを知ったり、興味をそそられる要素がたくさんあります。かつビーチバレーをする砂浜はとても安全。大人でさえ砂浜にいることで気持ちが大らかになります。小さなお子さんだけでなく、小学生も砂浜に来てほしいですね。僕が相手になったら、砂浜に投げ飛ばします(笑)。そこで伝えたいのは、「砂浜は痛くない」ってことと「大人ってすごい」ということ。見て楽しむ砂浜ではなく、足を踏み入れて楽しんでほしい。ぜひ砂浜に遊びにきてください。
---ありがとうございました! <了>
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