織田選手がスケートを続けていく中で一番大変だったことは何でしたか? 忍耐力ですね。いかにあきらめないか。どれだけ希望をもって頑張れるか。僕の場合はずっと下手でしたから。中3で出場した大会で優勝したのはモチベーション的に転機となりましたが、技術的な意味では自分に対する自信は今でもありません。これくらいの技術はできるという感覚はありますが、それが自信につながっているかというとどうかな。自分がここで成し遂げたいという気持ちがないと。そういう意味では、まだ まだです。 世界レベルの選手でさえ、そうなんですね。一日にどれくらい練習されていらっしゃるんですか。 10時から3時くらいまで氷の上の練習。その後7時までジムに行ってトレーニングをすることもあります。練習することで自分が磨けている、どんどんよくなっているというか、そんな気がするので基本的にはすごく楽しんでいます。 楽しめるってことがいい演技、いい滑りにつながっているんですね。 そうですね。楽しんで滑らないと、採点する人にも気持ちが入っていないと見られます。表現も点数化されるので。気合いを出していかないと。本番では練習以上に伝えること表現できるように、緊張感に勝っていかないといけない。練習を積んで大会に臨んでも、その練習した力が試合で出せないと悔しいし、情けない。何のために練習してきたんだろう、ということになりますから。常に悔しさは持っています。 コーチやお母様、周りのスタッフからはどんな言葉を掛けられて試合へ出場されるんですか? 『練習通りに』ですね。いつも掛けられる言葉は『スケートを楽しんで』『きみだけの時間だから、好きなように滑ってきなさい』と。 観ている方もすごい力が入っちゃうんですよ。ああ!ここで転ぶか…みたいな。皆、そういう悔しさを乗り越えてきているんですね。 その壁を乗り越えると、さらに新しい違う自分が待っていると思いながら常にやらないと。悲しい気持ちで練習していると本当に悲しくなってしまうもの。この厳しい練習乗り越えたら、違う自分に会えると思って。僕も母にスケートを勧められて、小さい頃からいろんなプレッシャーの中で育ってきて本当に辛かったけれど、今の自分よりもさらにいい自分に出会うには、そういう経験も大事です。これから育つ子どもたちには辛いこと、大変なことであきらめずに、それを乗り越えてほしいですね。 ---ありがとうございました! <了>
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