それでは習い事を考える親へのメッセージをお願いします。 はじめは複数の習い事をさせたとしても、その中からいくつか絞り込んでほしいですね。絞り込む際は親が好きなこと、子どもにさせたいことではなく、子ども自身に好きなことを選ばせてほしい。多くて3つ、できたら2つ以内に絞ってそれを継続してほしい。選んだものが何であれ人格は作られます。複数の習い事をパーフェクトにこなしても、それで大成した子どもを私は見たことがありません。例えば就職活動の時にたくさんの習い事をした子どもよりも、少しのことを長く続けてきた子どものほうが厳しいこともしっかりと乗り切っています。 確かにそうですよね。1週間に何個もかけ持ちして習い事をする子どもは、結局力が分散されてしまうから好きなことが見えにくくなってしまう。 お稽古ごとは長く続けていたら、毎日晴れの日ではない。雨も降れば雪も降る。辛い時があっても、待てば春が来るし陽が当たると、親は伝えてあげてほしい。山登りでも、登っている時は雲が掛かっていてあまり景色がキレイじゃないから降りるということを繰り返していると、ずっと雲の下をジグザグ登ったり降りたりで頂上へ行けないまま。でも、雲の先に素晴らしい景色があって、美しい朝日を見た経験のある子どもは、何度もチャレンジできる。ですから、辛い時に習い事を辞めるのは反対です。辛い時を乗り越えた時に辞めるならば…ですけれど。 日本の社会は子どもたちへの教育改革以前に、大人の側が相当歪みをもっていますが、るり子さんは今の日本をどのように捉えていらっしゃいますか。 首相が変わり過ぎで世界から見たら異常事態。アメリカは問題解決型社会なので何かあったら話し合いますが、日本は何かあると我慢しなさい、忘れなさい…といういわば問題もみ消し型社会。問題を直視して乗り切ろうとする教育がなされてこなかった。責任とって辞める…という何ら解決にならないことの繰り返しですよね。私は日本が大好きですが、もみ消すエネルギーを違う方向にいかせば、もう少し長く首相続けられるのでは?と思います。 3.11以降、天才教育コンサルタントとして何か心得ていらっしゃることはありますか? 3.11以前から同じことを言ってきていますが「明日何があるかわからないのだから、今日後悔することを一つでも無くそう」と。何でも先延ばしにしないで今を大切に。彼氏彼女でも、親子でも、夫婦でも、一緒にいたら嫌なことがいっぱいあると思いますが、最後の別れ際は笑顔が難しくても平常心で。それがわかっていても捨て台詞のひとつでも言いたくなるのが人間だとは思いますけれど(笑)。 ---ありがとうございました! <了>
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