星覚さんは昨秋お子さんが産まれて新人パパですね。3.11以降、子育てする環境も意識もガラリと変化せざるを得ませんが、これからの子育て。どんなお考えをお持ちですか? 僕らの子どもたちは、僕らが想像もできないような世界を生き抜いていくことになると思います。その時に一番大事なものは『どっしりゆれる芯をもつ』ということではないでしょうか。矛盾しているようですが、色々な価値観やご縁の中でまず周りを大切にして、相対的にバランスをとりながら自分の芯を瞬間瞬間定めていく力です。 周りの支えがあって芯ができる…という考え方、とても胸に落ちます。そうした思いをお子さんに伝えていかれたいのですね。 僕は宗教や宗派を超えて、世界共通の真理を人は持っていると思います。それはキリストとか、アッラーとか、ブッダ…などという限定された芯ではなく、同じ地球に生きる生き物として持っている一つの心。そういったものを共有していれば、自分をしっかりと持ちながらいろんな人とわかりあえます。たとえて言うなら、法隆寺の五重塔の心柱のようなもの。どんな大地震でも倒れないのは周りと一緒にしなやかにゆれることで常に相対的に共鳴しているバランスの強さです。人間のあり方も同じで、喜びも悲しみも共に分かち合い、一つのものとして共振していくことがこれからを生きていく上で大切だと思います。 子どもの習い事を考える同世代の親へ伝えたいことはどんなことですか? 一番大事なことは、親も子どもも自分自身を学ぶこと。海外の暮らしを経験して一番よかったことは、日本をよく知ろうとか、自分をよく知ろうと思えたこと。外に求めようとするときりがないけれども「いま、ここにいる自分」は唯一。それがベースにあると、何でも上手くいく。たとえ「上手くいかなかったとしても上手くいく」のです。周りの評価ではなく、自分自身の声を聞くようにする。それは身体の声を聞くことにもつながります。 本当にその通り。私も3.11前後に体調を崩してみて、初めて体の声を聞く大切さを知りました。3.11後に日本を離れて雲水として感じることはありますか? 何が本当かわからない時代だからこそ、自分の身体と心、つまり続いていく命を最優先に行動するべきです。命よりも社会システムが優先されるのはおかしなことです。現状は仕方がなくても疑問をしっかり抱いて、おかしいと気づいて動く時期にきていると思います。憤りを表現する方法を知ることも大切です。怒りを覚えるときにはそれを他にぶつける方法もありますが、何が怒りを生んでいるのかを丁寧に観察して「やらない」という方法を とることもできる。例えば電力のあり方やごみ処理の問題に怒りを感じたらまずは自分のどんな行為がその問題につながっているのかを考え、少しでも自分自身の行動を変えてみる。 ---ありがとうございました! <了>
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