(C) Bill Cooper 佐久間 奈緒 (さくま なお)さん 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル 佐久間さんがバレエを習うことになったきっかけとは何でしたか? 母がバレエ観賞大好きで、初めて一緒に公演へ連れていってもらったのが5歳の頃でした。客席で私が舞台を真似て踊っている姿を見て「バレエ習いたい?」と母が聞いたら「やりたい!やりたい!」と私が答えたそうです。その翌日から近所にあったバレエ教室に通うようになりました。その日から一度もバレエが嫌だ!と思ったことがないんです。 5歳というとまだ本当に小さくていらしたでしょうけれど、指導される先生はどんな方でしたか? 教室に通う同じクラスには小さな子がいっぱい通っていました。当時の先生はレッスンが厳しかったというよりも、それ以前に挨拶をはじめ礼儀作法がとても厳しかったという印象です。それは後々、とても役立つことでしたので感謝しています。母も礼儀作法には厳しい人でしたが、それに輪をかけて先生は厳しかったです(笑)。たとえば「何か質問されたら3秒以内に答えないとダメ」と常に言われていましたので、5歳の子への要求としてはかなり高度なものでした。 学校へあがってからも、もちろん生活の中心にバレエがあったと思いますが、どのくらい練習をされていましたか? 週3回教室へ通っていました。私は先生にとてもかわいがってもらっていたので、教室の中だけでなく先生が出かけるスタジオに小さなアシスタントとして同行していました。私は6,7歳の頃でしたが、私よりもっと小さな子のクラスを任せてもらって。そのクラス終了後は教室に戻って、大人のジャズダンスクラスへ参加。バレエとは似て非なるものですが、実は母が参加していたのです。大人の中にチビッ子は私一人きりで(笑)。踊るのが大好きで、スタジオに朝から晩までいるのが好きな子でした。一方、学校ではお遊戯会みたいな舞台にあがる主役に必ず立候補する子でした。ステージが大好きでしたね(笑)。 練習が全然苦にならなかったというのはスゴイですね。好きなことを続けるにはどんな努力が必要でしたか? 小さい頃は体で覚えるしかないんです。今は知識も経験もあるので体力を燃焼させなくても上手くいく方法を考える力があります。バレエは感覚なので自分の体が覚えるまで何回もやってみる。それしかなかったですね。母はバレエを強制することはまったくなくて「やめたければいつでもやめなさい」と言ってくれていました。スタジオに顔を出すことすらあまりなかった。関心がなかったわけでなく、そこは子どもを信頼して任せてくれていた。そういう点は感謝しています。 |
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