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ベストセラー「14歳からの社会学」著者 気鋭の社会学者 宮台真司さん小学校を6つ転校経験した早生まれ で小柄な宮台少年(中央)。
できる!の連続体験が伸びる力に変わる。小学校を6つ転校経験した早生まれ で小柄な宮台少年(中央)。

宮台さんは今6歳と3歳のお二人お子さんがいらっしゃいますが、どんなことがお得意なんですか?

二人とも絵が好きですし、水泳に通っていて、上の子はピアノも習っています。チャレンジして達成することが好きです。6歳の長女は慎重派ですが縄跳び100回、ばってん飛び60回、逆上がりできるようになったし、水泳25メートル泳げるようになった。3歳の下の子は大胆で要領良く空気を読みます。最初できないと思っていても、きっかけがあればできるようになる。できる!できた!という連続体験によって自信もつくし、状況がほんのちょっと変わればできることもあります。

小さな頃は特に環境や言葉掛けひとつで伸びますよね。今、学校にいろんな要望をする親もいます。宮台さんはもうすぐ上のお子さんが小学校へ入学されますが、こういう世相をどのように感じられますか?

学校は問題を抱えているもので不完全なものなんです。今の親は学歴や住居で区別化したがります。たとえばニュータウンの学校は教員にコントロールする力が無くなってしまう。学校は今や子どものコントロールではなく、モンスターやクレイジーな親にコントロールをする必要があって、お手上げに近い状態だと思います。

社会も学校も不完全なものだという前提が必要ですね。ご家庭の中で大切にされている信念はありますか?

子ども同士のトラブルはあったほうがいい。もちろんやり過ぎはダメです。叩いてもウソついても意地悪してもいい。何がやり過ぎで、何がそぐわないことかを見極めることが大事だと思います。たとえば宮崎駿の世界観で登場する怪獣や化け物は、人間が作りだしたものだということを教えてくれます。うちは2歳半から4歳くらいまで13~4本宮崎駿の作品をみせました。そのおかげか「プリキュアは付き合い。いいモノと悪いモノがはっきりわかれているお話は好きじゃない」と自分の言葉で言っています。善悪の背景まで物語を理解しているのでしょうね。
僕は「世界を感情的に深く体験する力」が子どもには必要だと思う。たとえば森を体験することは良いことで、夕暮れになると薄暗くなって怖い場所になりますよね。得体のしれないものが住むと同時に小動物や虫も生きている。そういう昔の人たちが教えてきた世界観をわかってもらうことが大事なんじゃないかと思います。僕はピースボートのプログラムを作っているので、今後は家族で貧しい国に行ってみる予定です。文化や環境の違いにショックを受けるでしょうね。子どもたちは自分たちの住んでいる日本が特殊であると早い時期からわかったほうがいい。

身をもって学ぶことができるのはすごく幸せです。では最後に、小さなお子さんのいる親世代へ一言お願いします。

終わりよければすべてよし、というように、よき終わりに向かうこと。そのためには成長が必要なんです。成長は乗り越えたトラブルの数で決まる。順風満帆でノイズレスな場所に子どもを置いた時点で失敗の始まり。それをよくわきまえる必要があります。社会が暗くなっていくと、より一層人を見るようになります。人は非常時に試されます。平時にいい顔しているのは当たり前だけど、トラブルでその人となりを試されるのだと思います。子どもに何を学ばせて成長してほしいか?というのは、見かけはどうでもいいこと。バレエもピアノも水泳も、うまくなるためには練習すれば取り返しがつきます。そこで習得できることは何か?です。この世界に自分が置かれている意味というのを知ることこそ、最大の目標になるべきです。

---ありがとうございました!
とても穏やかにお話しされる宮台さんから発せられる言葉の一つひとつは熱がこもっていて、共感することばかり。そしてなんだかお腹の底から力が湧いてくるような不思議な気持ちになりました。宮台さんが執筆された本を読むと同じような感覚をあじわえます。子どもたちへ伝えている言葉、そのまま大人の私たちが受け取っても学びの深い一冊です。これからこの国を担うのは今生きる子どもたち。彼らに何を手渡し、何を伝えていくべきか。インタビューを通してすごく考えさせられました。これからの活動も注目しています!

<了>
取材・文/マザール あべみちこ

活動インフォメーション

●宮台真司さん書籍情報

驚きの中国

  • おどろきの中国
  • 橋爪大三郎  大澤真幸  宮台真司 著 講談社
  • 定価 882円
  • 発売日 2月15日
  • 「中国が、こんなに存在感を増しているのに、私たちは中国のことを知らない。中国についてとてつもなく饒舌に語られているのに、日本人を含む中国の外の者には、中国という社会がわからない。……中国は、日本のすぐ隣にあって、歴史的にも深いつながりがあるのに、現在の日本人にとって、西洋以上に謎である。」(まえがきより)

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