大学3年生で東大中退してマジックの道へ進んだ…と伺いましたが、辞めるのもったない!と思いませんでした? そこにこだわって人生を棒に振る方がもったいないと思ったんです。マジックサークルに入部して半年後くらいに学園祭でマジックショーがありまして。それを体験して「ここが自分のいるべき場所だな!」と感じたんです。大学には5年間在籍していました。本当は3年で辞めるつもりでしたが親に説得されて留年しつつ。勉強する気がまったく起きず東大の中に学生が自由に使用できるスポーツジムがあって、そこに通ってばかりでした。就職活動も先輩が勤務していた大手旅行会社と某有名宝飾店の2つ回りました。でも1次面接で落とされて……本当にやる気が起きなかったんです。やりたくないことをして生きるより、やりたいことをやって死にたいと。やりたいことをできないまま生きるなら生きる意味ないでしょう?もったいない!と学歴にしがみついて一生を棒に振るよりも、きっぱりとやめる選択をするほうが人生を無駄にしないと思ったんです。 東大をお辞めになる以前に、そもそも勉強して東大へ行こうと思われたきっかけは何だったのですか? 6つ上の兄が1浪して京大へ進学。身内から行けるという意味でも手の届く範囲に京大はあるんだな~と思っていました。関西に住んでいるとなかなか関東へ出て行かないもので。僕は地元の公立高校へ弟と一緒に通っていましたが、その頃は英語塾も一緒の所に通っていました。そこの竹岡先生が素晴らしい方で多くの優秀な方が門下生なんですが、「誰かこの中で東大に行くやつはいないか?」と見まわされた結果「お前行け」と指名されたんです。僕の他にも何名か指名されましたが、僕は2年掛かって東大へ合格しました。弟は1年浪人して京大へ進みました。 ご兄弟揃って優秀ですね。念願の東大に入学して期待を胸に東京へ? いえ、東大に入学してから燃え尽きてしまったというか……。ここで勉強して何になるんだろう?と思うようになってしまって。東大は入学後に語学テストをしてクラス分けがされます。いわゆる有名進学校からストレートで東大合格しているクラスと、僕のように地方出身で浪人して合格したものは違うクラスなんです。で、気づいてみたら僕のいるクラスは「ふきだまりクラス」(笑)。おもしろい仲間でしたが。家庭教師のアルバイトなんて同じ東大生であっても現役エリートとは時給に差があります。官僚になりたくて東大に入ったわけではないですが、じゃあこれから自分は何をしよう?と。 東大の異端児として「世の中に役に立てることは何だろう?」と考えたわけですね。で、マジックと出会った? とりあえずやりたいことをやろうと思った時に目の前にあったのがマジックでした。サークルに勧誘されたのがきっかけです。その当時、上京してすぐはまだテレビがなくてラジオで生活していて、たまたまラジオでマジックする番組が流れていて、それがおもしろかったんですよ。それで翌日たまたま百貨店へ行く用事があって行ったら、そこでマジックの実演をしていました。そういう偶然が重なったんです。 ⇒ [3]を読む |
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