■渡辺さんが「強い!」と思うのは、どういうスキルのことでしょう? うーん、難しいですね。プロの世界って同じような実力の人が密集している中で勝負する。その差はあまりないけれど、本当に強い人だけが一瞬で抜けるんだと思うんですね。接戦で一歩抜きん出ることのできる力があるかないかで強いか弱いかが決まる。特別な何かが備わっているというより、そういう突破力なんではないかと思います。
■毎年「小学生名人戦」(正式名称は「公文杯争奪小学生名人戦」)を放送していますよね。今年で31回目を迎えていますが……もちろん常連でした? はい。小学生将棋名人戦は、確か10歳の頃(第19回)優勝しました。うれしかったですよ。これが小学生時代の一番大きな大会だったんですね。前年度も出て、その時は負けてしまってベスト8で終わった。ベスト4くらいになって、やっと優勝が近いなと
■子どもの頃、将棋の他に習い事はされていましたか? 幼稚園時代に体操を。小学校時代は書道を1~2年。塾は3年生で1年間。その後、将棋が忙しくなって6年生になって受験のため1年。中学入学は、将棋部もなかったし、これまで通り「奨励会」に通ってプロ目指して将棋していました。書道は、トップ棋士になると筆でサインするので上手く書けるように……なんて思いでやっていましたが。短かったので、技はつかなかったですが(笑)。
■同世代の子に比べて、抜きん出た力をもっていると大人っぽくなりますよね? 違う世界を知っていたことでは、そういうこともあるかもしれませんね。周囲は、僕が将棋をやっていることを知っていましたけれど、自分と同年齢で将棋をやっている奴を見たことが無かったんでしょうね。最初はちょっと驚いても、月2回ほど将棋のため休んでいたこと以外は普通に接していました。
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