■いつ頃から将棋を始めたのですか?
将棋を触って指す真似事ができるようになったのは幼稚園の年長くらいかな。将棋スクールへ通うようになったのは小学1~2年生からですね。戦うということより、頭に浮かんだ手を直感で指していました。きっかけは将棋ファンの父で。普通のサラリーマンでしたが将棋が好きで。父に教わったのが最初です。
■それって、今からほんの15年くらい前のことですよね。というと、コンピュータゲームとかも既にあったのでは? ありましたよ。僕も持っていました。でも、ゲームにそれほど没頭した覚えはないですね。放課後は外で友達なんかと大勢で野球とかして遊んでいましたし。パソコンやケータイがまだ無かった時代ですから。
■やはり頭のデキが普通の子とは違ったのだろうな、と思いますが。スクールに通って将棋はぐんぐん上達されました?
僕は将棋連盟の「子ども将棋スクール」という所に入って、8級からスタート。初段になって卒業しました。子どもって、大人と違ってとっても早く上達するようです。そこからは「奨励会」という、筆記や実戦の入試テストもあるプロ養成機関へ入った。そこを経ないとプロになれないんですね。当然そこには全国各地から将棋の強い子が集まってくる。僕は10歳の時6級で入会。「奨励会」の6級というのは、アマチュアでいえば四~五段のことです。
■渡辺さんにとって子ども時代に感じていた将棋の魅力って何でした?
子どもは直感勝負なので、勝負ごとに勝つことが楽しかった。先を読む楽しさは、子どもの頃はまだ無かった。もちろん、負けることもある。例えば五勝一敗の場合、大人になると「まぁまぁだな」……と思いますが、子ども時代は一敗でも「うーん、なんで負けたんだろ」と悔しさをにじませる。そういう気持ちを糧にして、少しずつ強くなっていく喜びというか……。
■将棋ファンだったお父さんやお母さんは、渡辺さんがこれだけ若くしてプロになることをイメージされていたのでしょうか? う~ん、イメージしていたかどうかはわかりませんが、少なくともプロになるための英才教育を仕込んできたわけではありませんでした。父には、好きなことをさせてもらったという感じです。母は、のんびりしている性格ですし、将棋の指し方も知らないので、ほとんど何も言わなかったです。怒られたこともないですね。
■教育方針はどのようなお考えだったのでしょう?学校の勉強については? 学校の勉強についてはまったくノータッチでした。勉強しろとか、ああしろこうしろというのは一切なかったです。僕は、どちらかというと現代国語や日本史が好きでした。数学は人並みにはできたけれど、率先してやろうとは思いませんでした。将棋というと、計算とか組み立てる力ということで、そう思われるようですが、実際興味があったのは文系だったんです。
■そんなに頭もよくって、親御さんの理解もよくって……となると当然、中学受験はされました? しました。でも受験体制に入るのが遅かったからそんなにものすごく勉強して偏差値の高い学校へは行けませんでしたけれど。(といっても、かなり優秀な子が集まる聖学院中学・高等学校へ通学)まあ、落ちて公立へ行くこともあるかな、という感じで考えていましたし。
|