深い意味合いをもつ文字についてたくさんご存知ですが、ガッツさんとお話しすると教訓めいたお言葉がたくさん出てきますね。 経験はその人の生きざまを教えてくれます。国鉄総裁の石田礼助さんの言った「粗にして野だが卑でない」という言葉があります。お顔は二枚目とは言い難く、足が少し不自由な石田さんが国鉄総裁に就任し、国会での初登院で言った言葉です。外見は粗暴で野蛮なように見えるけれど、腹は卑しくありません…という意味です。石田さんは国鉄民営化までの立役者で「国鉄が今日の様な状態になったのは、諸君(国会議員)たちにも責任がある」と痛烈かつ率直に発言したのです。 JRは当たり前のように大手民間一企業ですが、そのような歴史があったのですね。ガッツさんと何か共通点がありますか? 世界チャンピンになるということは何か特別なものがあるわけです。でも、自分でそう言っても誰も評価はしてくれません。自分の能力をひけらかさず、おバカなふりをしながら、深い視点をもつ人とつながる姿勢が大切だと思います。 先日初めてグローブをはめてボクシングやってみましたが、体をひねってジャブを打つのは難しかった。過酷な練習でしたか? 私はそれができるよう完成するまで8年掛かりました。同じことの繰り返しですが、繰り返しやっているうちにふと気づくことがあります。例えば冊子を一度読むのと、三度読んでみるのとでは読み解く意味合いも変わってきます。最初はわからなくても、段々わかってくるものです。ジャブも体が知っていくというのかな。やっているうちに身につくものです。 世界チャンピオンという勝者となり、プレッシャーも相当だったと思います。勝者と敗者のマインドの持ち方とは? 勝者の時は一時。ずっと勝者では居続けられません。地球も24時間動いて朝が来れば夜も来る。同じ時間は二度とないです。勝者の時は笑っていてもいい。敗者の時は言い訳せずに反省して、時期を待つのです。必ずまた明るくなる時が来ます。残念ながら、それができなかったのは清原でしょう。野球時代はチヤホヤされても、それが永遠には続きません。夜の時代になっても、謙虚でいればまた昼の時代も来る。そういう一番よくわかる見本でしょうね。 ⇒ [3]を読む |
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