■お父様の存在が大きかったように思いますが、厳格な方でした? 良一郎:う~ん、結構反抗もしましたよ。色々と注文をしてくるので「弾けないくせに簡単に言わないでくれよ」というと「俺は弾けなくても、聞く耳は持っている」と自信たっぷりに答えていました。大会があればいつも付いて応援してくれる。僕は果たして、自分の息子に同じようにできるか?疑問です(笑)。
■三味線を知らない子どもたちも増えているのでは? 健一:大会はやたら多くなってますし、出場者数も増えています。でも、民謡を知らない世代なんですよね。奏でる曲に魂があるかというと、どうかな……2001年頃から和楽器の演奏家として、小学校を回ったことがあったんです。もちろん三味線を知らない方も多くて。学校によって差はありますが、三味線に触れる機会もあったり、英語の授業で僕らのことが紹介されたりしています。
■今の子どもたちにどんな力をつけてほしいと思いますか。 良一郎:選択肢が増えていますが、中々たった一つのことを大切に続ける勇気がないと思うんですね。一つを続ける先に何かがあることに気づいてほしい。継続は力なりです。子どもだけでなく、親も一緒に頑張ること。与えすぎないことって大事だと思います。 健一:僕らも5歳から三味線をずっと続けてきましたけれど、サッカーや陸上(長距離)とか普通に部活動もしていましたから。 良一郎:環境が人を学ばせるんでしょうね。人格形成に大きく関わっている。
■今後はどのような展開を予定されていますか。夢はもっていらっしゃいますか。 健一:ステージが一番の練習ですから、これからも国内外問わずたくさんコンサートをしていきます。 良一郎:三味線をもっと世界に広めて、まずはワールドミュージックの部門でグラミー賞を獲りたいです。
----がんばってください!今日はありがとうございました。
あまり似ていらっしゃらないお二人。でも、こんなに仲良しの兄弟って昨今見かけません。ベタベタした関係でないけれど、考えていることや目標が同じせいか双子のようにツーカーで息もピッタリ。お兄さんの良一郎さんは3ヵ月前に赤ちゃんが誕生したばかり、弟の健一さんは4ヶ月前にご結婚したばかり。そんな新しい人生を歩き始めたばかりのお二人はとても輝いていました。こんなにお若くしてとても謙虚で、夢もあって大人な男!ますますファンになりました。これからのご活躍、ますます注目しています。
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<了>
取材・文/マザール あべみちこ |
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