お魚漬けの日々だった中で、何か習い事をされていた時間はありましたか? はい!小学校6年間は剣道を習っていました。夏は暑いし冬は寒いし先生は怖いし、厳しい練習で忍耐力はつきました。お正月に食べるお汁粉の味がおいしくって忘れられず、それを励みに続けられました。それと、2歳上の兄とクラシックギターの教室へ通っていました。一度でも演奏を間違えると「なにやってんの!あなた将来絶対大変な目に遭うよ。ギターだと思って舐めてるでしょ、全部それは同じなのよ!」とビシビシと叱る厳しい先生で、そのたびに怖くてギャ~と泣いていました。兄は練習もちゃんとやっていたのでそんなことはなかったのですけれど。 満遍なくすべてできるよりも何か一つ好きなことがあって全力を尽くせたのは素晴らしいです。さかなクンが夢を抱いたのはいつ頃ですか? 小学2年生でタコと出会ってからお魚の図鑑は自分にとって片時も離せない宝物。タコに夢中の頃に、こんな素晴らしい図鑑を誰が書かれているのかな?と巻末の著者名を見ると“奥谷喬司先生(東京水産大学)”のお名前がのっています。よくよく調べるとほかの図鑑やタコの絵本にも奥谷先生のお名前が。ある時TVの動物生態番組に出演されていた奥谷先生をお見掛けして「奥谷先生だー!!なんて穏やかでステキな先生!」とますます大ファンになりました。勇気をだして「将来、奥谷先生みたいな立派なタコの博士になりたいです」とファンレターを書いたら、なんと奥谷先生から「日本には、タコの研究者は少ないので、一生懸命勉強してタコの先生になってくださいね」とお返事が届きました。その時にハッキリと、奥谷先生みたいにステキな東京水産大学(現・東京海洋大学)の先生になって図鑑を作りたい!自分が知っているお魚や海の生き物のことをみんなに教えてあげたい!と思ったのです。 既にその夢は叶えられています。挫折しなかったのは素晴らしいです! 高校2年生の時にお魚のクイズ番組に出演するチャンスがありました。それまでは人から聞かれてお魚のことを話したことはあっても、自分から積極的にお話しすることはほとんどありませんでした。自分のお魚の知識を試したいと思ってアクションを起こしたのは生まれて初めて!そこで優勝した経験は今につながる宝物になっています。 好きで続けてきたことが大人になるにつれて開花しているのは、どんな状況でもありのままだからでしょうね。では最後にさかなクンから、道を模索している親や子にメッセージをお願いします。 さかなクンは勉強が全然できませんでしたが、絵を描くのが好きでお魚が大好きなことを大切にしてきました。周りの皆様が応援してくださった事が大きな力となりました。これは今もです。夢中になれるものに打ち込む経験は決して無駄にはなりません。さかなクンは今でも小さい頃と同じようにワクワクしていますし、お魚に会うと幸せになります。でも、まだまだ知らないことばかり。日々お魚に関わる先生やプロの方々から教わることも多く、たくさん学ばせていただいています。 ---ありがとうギョざいました! <了> さかなクン 書籍紹介
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