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さかなクンさん

さかなクン

東京都出身、館山市在住。東京海洋大学客員准教授、東京海洋大学名誉博士。お魚の生態や料理法など魚類に関する豊富な知識で、2001年1月からTBS系列「どうぶつ奇想天外!」にお魚担当として出演。2010年には絶滅していたと思われていたクニマスの生息確認に貢献。さらに海洋に関する普及・啓蒙活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞。2011年農水省「お魚大使」、2012年文科省「日本ユネスコ国内委員会広報大使」などを務め、『朝日小学生新聞』にて「おしえてさかなクン」コラムを連載中。»  さかなクン 公式サイトはこちら

好きになったら一直線の日々。

さかなクンは年代問わず皆が「すごい!」と絶賛する魚類学者です。お魚が好きになったキッカケは何でしたか?

最初はタコに夢中でした!! 僕はお絵描きが好きで、タコの前はトラック、水木しげる先生の作品の妖怪に夢中で一心不乱に描いていました。小学2年生の時、友達が描いた頭が丸くてお目々がギョロリン、足はニョロニョロ8本も!!。その絵を見た瞬間「なんだこりゃ~?!」と衝撃を受けました。どうしてもどんな生き物か調べたくて、学校の図書室に行って、すべての生き物図鑑をひっくり返して探しました。長い時間をかけて調べ、その中の一冊「水の生き物」でやっと見つけました。「タコ」という海の生き物だと知って「あの、たこ焼きのタコ?お刺身のタコ?」ってビックリ。頭の霧がぱぁっと晴れるようでした。

小学2年生で図書室に行って調べるという向学心!さかなクンの原型ですね。

はい!自分にとって図鑑は、憧れのカタログでした。しばらく頭の中は寝ても覚めてもタコ一色。直接見たくて、どこで見られるんだろう?そうだ、お魚屋さんに行ってみよう!と、図鑑を片手にランドセル背負ったまま学校帰りにお魚屋さんに直行。図鑑で見た印象よりずいぶん大きく見えるマダコの値段を聞いたら2000円!お小遣いで買えるものではないとガッカリ。でもお母さんの夕飯買い出しに付いていったら、おでんの具のコーナーに小さな小さなタコを見つけ、それは50円!「お母さん!このタコちゃん買って!」とお願いすると「あらイイダコ、いいわね。今夜はおでんにしよっか」と買ってくれました。消しゴムくらいの大きさの小さなイイダコをいろんな角度から眺め、思う存分絵を描きました。

自叙伝を拝読すると、さかなクンの意向に常に「いいね!」と褒めてくれて、自然体ですし素敵なお母さんですね。

ありがとうございます。自分は学校の勉強はサッパリできなくて、「お魚と絵を描くのが好きなのはわかりますが、学校の勉強もしっかりやるように言ってください!」と、よく担任の先生から母に言われていたようですが、「うちの子はお魚が好き、絵を描くことも大好きなのでこれでいいんです」と答えてくれたそうです。もし、母から「そんなことばかりやっていないで勉強をしなさい!」と頭ごなしに叱られて、好きなことを取り上げられていたら、今のさかなクンはいなかったと思います。

さかなクンは、お母さんが世の中に送り出してくれたのかもしれませんね!タコから海の生き物全般に関心をもつようになったのは?

元気な姿のタコに会いたくて放課後のお魚屋さん巡りだけでなく、週末になると水族館へ連れて行ってもらって、何時間もタコの水槽を観察していました。でもマダコってなかなか姿を現さない。「タコちゃーん出ておいで!」と待っていると足をニョロニョロと伸ばしてきてまた大興奮。実際に海へ出てタコ探しをしているうちに、だんだん海の生き物全体に夢中になりました。マダコ→ウマヅラハギ→ハコフグとお魚への興味はいっきに加速し、毎日お魚図鑑にかじりついて気になるお魚の写真を穴があくほど見つめて絵を描いていました。

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