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ライター 木佐美有さん日本の大学を卒業しNYで過ごしていた頃。
社会問題を意識し、うまれる言葉。日本の大学を卒業しNYで過ごしていた頃。

職業人としてライターはたくさんいますが、木佐美さんが書く言葉は哲学的な意味があって、しばし考えさせられます。何がきっかけでこの仕事に?

英語で論文を書いていたことで文章を構成できるようになったのが最初です。仕事では、役所の書式、きっちりとした固い文章に触れていたことがベースにあります。言葉にしっかり向き合うきっかけになった翻訳の仕事は日本に帰国後も続けて、そのうち「絵にタイトルをつけてくれないか?」とクリエイターの友人から声を掛けられて、英語と日本語の両方で言葉を編み出すようになりました。今では幅広くライティングに関わる仕事や制作をしています。

私は広告コピーライターで受け取ってもらいやすい言葉を投げるのが常ですが、木佐美さんのはそれとも違う。うみだす言葉の根底に何がありますか?

大学時代から社会問題を意識してきました。そして、海外に行ったことによって客観的に見えた日本人の生活や習慣、メンタリティの良い面と悪い面。そうした側面は、政治や社会問題にも直結していると思います。3.11の大震災が起こってからはメディア側で情報を発信。そして今は映像制作という手段で伝えています。社会的な視点からのコピーライティングをはじめ、いろいろな業界で見てきた要素や視点を繋ぎながら新しいものが書けるのではないか、と思っています。

海外での経験、仕事でのキャリアによってご自身を客観視できるようになったわけですね。ご家庭での教育方針はいかがでしたか?

私の育った家庭環境は議論が好きでした。父は学生運動が盛んだった世代で、生き方そのものがメッセージ。母からは、自分が言われて嫌なことは言うな、自分がされて嫌なことはするなと常に言われていましたが、今考えると言い続けてくれたことは本当に良かったと思います。親がどういう態度で子どもに接してきたかで、子どもの心は決まると思います。

家庭環境はそういう意味で本当に大きい意味をもちますね。

それと、私はアトピー性皮膚炎で特に中学まで治療が大変でした。大人になって回復しましたけれど、思春期は苦しかったですね。私の場合は食べ物に制限はありませんでしたし、野菜は何しろたくさん食卓に並んでいました。今健康に過ごせているのは母が食事を気遣ってくれていたからと感謝していますが、その時は反抗的な態度をとったこともありました。症状が悪化するのを心配して、生活面で警戒していたこともあったので、海外へ行くことは自分にとって大きな意味がありました。

大きな五月人形、兜の前で。生後6か月頃。

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