奥田 愛基(おくだ あき) 社会活動家。1992年、福岡県北九州市生まれ。2011年、明治学院大学国際学部に進学後、2013年、東日本大震災をテーマにした短編ドキュメンタリー「生きる312」で国際平和映像祭グランプリを受賞。同年12月、10代から20代の大学生を中心としたグループ「SASPL(サスプル:特定秘密保護法に反対する学生有志の会)を友人らと創設。その後2015年5月、SEALDs(シールズ:自由と民主主義のための学生緊急行動)を創設。同年夏、安全保障関連法案に反対する国会前抗議を毎週金曜日夜に主宰し、大きな注目を集める。2016年春、大学を卒業後、現在大学院修士課程に在籍。『変える』(河出書房新社)の他、共著に『民主主義ってなんだ?』など。» 奥田 愛基 公式Twitterはこちら 3年前の夏、安保法制強行採決に反対する国民10万人が押し寄せた国会前デモで一躍SEALDsの存在は注目されました。その後、解散を経て今月末に大きなイベントを渋谷で開催します。これはどんなねらいで企画されたのですか? 今回はデモとかとはちょっと違う発想で、その手前にあるカルチャーを基軸に考えています。音楽やファッション、マガジンなどを通して、楽しみながら、自分たちがどんな社会にいるのかもっと自覚的に居たいと思っています。欧米のアーティストやミュージシャンは歌や作品だけじゃなくて、社会に対して自由な発言をしてますよね。受け手も賛否ありつつ、そういう発言する人がいることを認めている。僕はヒップホップが好きですが、トランプ大統領就任後もっと如実にそれが表に出てきてると思います。アカデミー賞やグラミー賞の基準も、単純に作品が素晴らしかったからというだけでなく、社会の文脈が重要視されていますよね。音楽も映画もこの社会から切っても切れないものだし、商業主義的に分断されてるのは単純に面白くないなと思ってます。 日本の音楽からは政治を批判するようなものってなかなかうまれませんよね。 まあ別に政府批判の音楽が良いってわけじゃないと思うんですが、いい音楽がポンとそこにあって、みんながいいねいいねといって、次の音楽を消費するのではカルチャーは生まれないんじゃないかと思ってます。ずっとオリコンチャートだけ聞いてるみたいな。これはアーティストのせいではなく、リスナーにも原因があると思う。今度のイベントでは音楽だけでなく30時間ぶっ通しのトークセッションもあります。ゲストは研究者、アーティスト、ライター、映像作家など、いろんな人に来てもらいます。政治も社会も恋も音楽も全部横断的に話していく場にします。 大がかりなイベントになりそうですが、すべて仕切っているのは奥田さんですか? いえ、僕だけではなくたくさんの人に関わってもらっています。僕が前に出なくてもいいのですが、宣伝を兼ねて誰か前に出ないとならないので、僕がこうして取材などには対応しています。中心的に動く人は必ず何人かいます。例えばブッキングやフライヤーなどのデザイン、服をつくったり。会計などそれぞれの役割で違う人が、それぞれのチームをまとめているという感じです。僕は自信があるのかないのかわからない。普段はへらへらしていて、やるか!という時に、じゃあやります…ってタイプです。基本ダメなやつなんで。 今発表されているだけでも豪華アーティスト陣のラインナップで、このイベントを無料にするためにクラウドファンディングという仕掛けもされていますが。 お金がある人もない人も、どんな人でも無料で参加できるようにクラウドファンディングを実施しています。チケットを買うつもりだったひとは応援の気持ちを込めて、寄付をしていただければ幸いです。普通にやったら5000円以上しそうなラインナップですが、なんとか無料にしたいと思っています。今日現在でリアルなことをいうとあと300万ぐらい集めています。これを出てるときは無料になってたらいいな。 |
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