鳴神 綾香(なるかみ あやか) 女優。映画・ドラマ・CM・舞台などで幅広く活躍中。特技はピアノと剣道。主な出演作に映画「月光」、映画「ひかりのたび」。» 鳴神 綾香 公式Twitterはこちら 試写でこの映画を観るまで、私自身は健康診断毎年オールAで健康そのものだからあんまり関係ないかな~なんて思っていたのですが、明日は我が身。誰もがんにならないという確信は持てない時代だとよくわかりました。鳴神さんはまだお若いですが、乳がん検診で疑いありと診断されたのはいつ頃でしたか? 今から2年前のことです。もともと生理痛がきつくて産婦人科にお薬を処方してもらっていたのですが、そのクリニックに乳がん検診案内のポスターがあって、なんとなくやってみようかな…と思って受けた。そうしたらまさかの「ん?しこりがあるね」と言われて。触診ではわからなかったのですが、超音波で何かあるとわかって。結果が出るまでの1週間。ドキドキして頭の中は真っ白に。家族や友達にも「どうしよう。こんなふうにお医者さんに言われた」と相談。ネット検索をしてもネガティブな情報ばかり見てしまって…。 結果として、良性のしこりでがんではなかったということでよかったですが、がんについて知る機会になったのですね。 私はまだ結婚も妊娠もしていないので、もし今、がんになったらこの先どうなるんだろう?という不安いっぱいで。がんになっても妊娠はできるのかな?とか、その時初めて自分の将来とがんとの関係を深く考えるようになりました。その経験から1年ほど経って、今回の映画でナビゲーター役を探していると聞いて、これを通じてもっとがんについて知ることができるのかな?と思ってオーディションを受けました。 今回の映画は難しいテーマにもかかわらず、鳴神さんがナビゲーターとして介在されていたのがよかったと思います。私たちと同じ目線で識者の皆さんにお話しを聞いているせいかわかりやすくて、価値ある情報ばかりでした。 私も率直に「どうやったらがんにならないのですか?」と先生にお聞きしてみたり。なかでもご自身が乳がんを患いながら医師としてバリバリ現役で仕事もされている唐澤先生のお話は衝撃でした。乳がんの家系だから自分もなると予想されていたこと。唐澤先生をはじめ他の先生方も皆さんおっしゃっていた共通の言葉は、QOLは「生活の質」ではなく「人生の質」であること。治療において「生存期間」よりも、患者さんの人生の目的や生き甲斐をどれだけ達成できるかを考えて治療方法を選んでいくべき…と。唐澤先生は冷静にご自身のことを分析されていて、今はウィッグをつけていることも正直にお話しされていてすごいなぁ、と。 パワーをもっている先生や支援をしている方、体験者の方など15名に取材をされて、それぞれの立場からがんになる前に知っておいたほうがよいことを聞き出しています。取材の時もかなりパワーが必要だったのではないですか? 毎回発見があって、学びが多かったです。最初インタビューする前は「がんは怖い」とか重いイメージで「これは聞いちゃいけないかな」とか、いろいろ考えすぎていました。実際会ってお話しを伺うと、皆さん堂々とされていましたし、がんは私の一部でしかないと定義されていました。がんを治療しながら自分の人生を自分らしく生きているのが素晴らしいな、と思いました。お医者さんも患者さんをサポートしているし、病院以外にも頼れる場所があるのがわかりました。がんは特別な病でなく、2人に1人がなる時代。誰であっても明日はわからないからこそ、こうした情報は多くの方に知ってほしいと思います。 |
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