お話伺っていると星の楽しみ方が変わる気がします。永田さんの解説は1日1回ですか? プラネタリウムはもともと研究のために作られた機械です。例えばタイタニック号が沈んだ日の夜空とか、坂本龍馬が亡くなった日の星空などが再現できます。一番得意なのが、何年何月何日何時何分の空に行け、という指定。私の解説は1日1回もしくは2回で、解説員が何名か交代であたります。星の解説は、山登りに例えれば頂上で、そこに至るまでにたくさんの経緯があります。例えば渋谷の場合は、番組と呼ばれる企画があって、企画ごとにシナリオ、絵コンテなどをおこし、音楽をどうするかなど業者との打ち合わせなどもあり…小さな映画を作るような。制作する一方で運営もしていますので、年間スケジュールを作ったりイベント事業にも取り組んでいます。 夏休みはイベントが毎日あるということですが目玉企画はどんな? 「ハチ公とめぐる月りょこう!」です。サイリウムというカラフルな光を使った企画です。夏休みは連日13時の回はキッズタイムとして番組を行います。プラネタリウムは通常明かりをつけないでください…というのがルール。逆転の発想で、あえて明かりをつけたらどうだろう…と。ほかにも「惑星を巡って行くプラネットジャーニー」や「宇宙と少年の物語 宇宙のカケラ」ブラックホール講座、中学受験講座などいろいろな番組を展開しています。暗記する星空ではなく、月の満ち欠けを含めて星のしくみをしっかり理解して感動できれば、生きるための知識につながります。 全部楽しそうです!永田さんご自身のお子さんにはどのような教育方針でしたか? 好きなことを徹底的に極める、です。25歳になった娘は、星には一切関心はありませんがイベント会社で仕事をしています。小さな頃から、私も仕事が忙しくて帰りを待っていたので、その分たくましくなった気がします。自分の人生を生きるために、自分の意見を言えるように心がけていました。永田家の方針は、喧嘩をしてもその日のうちに仲直りをすること。翌日には引きずらない。それは私自身、家族以外にもそうですがその日のうちにできるだけ解決しておきたい。やりたいこと言いたいことはすぐやる、です。 大人になってからもなかなかそれができる人は少ないと思いますが、ちゃんと親子間で実行できているのは素敵です。最後に、星の解説員になるにはどんなスキルが必要ですか? 「感動力」と言っていますが、夜空の星や地球の美しい風景をみて感動し、それを人に伝えることが私たちのお仕事。知識はいくらでもついてきますが、感動する心は教えることができません。解説員にとって誰よりも感動できることが一番大切な要因だと思っています。 ---ありがとうございました! 2019年6月取材・文/マザール あべみちこ 永田 美絵 活動紹介
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