■たくさんの子どもが料理体験していますね。先生からみて今の子どもたちにはどんな力が足りないと? 基礎体験が足りない。自分で考えるとか、判断することが身に付いていないから言葉は読んでいても実際理解していない。読解力が落ちているのも同じ。だからこそ、料理を通じて子どもが体験できる場を増やしていこうと思っています。
■三人の子育てをされている間も何かしら活動をされていたわけですよね。先生にとってのお仕事とは何でしょう? すべて人間は生まれつきに何らかの使命をもってこの世に送り込まれていると思うんです。必ず仕事をするための才能をもっている。その時々で精一杯やることが仕事で、私の場合は何かしらいつも次の仕事につながる準備期間だったように感じています。
■なるほど。そういう捉え方もおもしろいですね!では、習い事を考える親たちにメッセージをお願いします。 子どもの自立する心を支えてほしいですね。料理をするのが目的ではないんです。自信を持って切り拓いていくこと。料理を教えこむのではなく、元気に自分の素晴らしさを発見してもらいたい。
■今後どのような活動を予定されていますか? 教室の他、講演活動やイベントもございます。「子どもがつくる ほんものごはん」という料理本を3月にクレヨンハウスから刊行しました。月刊クーヨンでも連載をしています。子どもが体験していける場を増やしてゆきたいと願ってキッズキッチン協会を立ち上げました。そこでの大人対象のインストラクター養成講座用の「キッズキッチン」(かもがわ出版)も出しました。それから、松下電器と共同で「食育と防災と介護」というテーマでの取り組みなども。それぞれが独立してではなく、全部つながっているのがおもしろいでしょう?
----ありがとうございました。坂本先生はものすごく元気で楽しい!目の前にあることは仕事でありながら遊びでもある。インタビューの間じゅう次々に飛び出すエピソードは意外なことばかりで、つい聞き入ってしまいました。お嬢さんの佳奈さんは先生の下でバリバリお仕事で活躍中。なんとも幸せな働き方です。子どもの料理についてだけでなく、女性の仕事の続け方について参考になることばかりでした。
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<了>
取材・文/マザール あべみちこ |
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