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> シリーズ・この人に聞く!第18回 > 3
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学校の授業で、この教室でやっているようなことがあればなぁと思うのですが。
それは公教育では無理でしょう(笑)。僕は長い間、読書感想文の書き方の本を出していますが、これを買われるのは学校の先生なんです。感想文とは、意見ですから。偉い作家先生が書いた本に、感動しなくちゃいけないような感じがあるでしょう。
うちの教室では、小学生が志賀直哉の「小僧の神様」を読みながら「この文章、変だね」「いらないよ」とか赤ペンもって添削していますから。
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おもしろそう!子どもではなくて、私が来たいです。
土曜日の午後6時からのコースは、お母さんお父さんがたくさん来ていますよ。
子どもを入会させるつもりで体験入学して、その場で自分が入会しちゃったお父さんとか。大人が勉強するようになると、子どもとの会話が増えてきます。
僕は、大人でも子どもでも「認めざるを得ない存在になりなさい」と言っています。
例えば、「将来、作家になりたい」という子がいたとしますね。僕なら「今から、書きなさい」と言います。受験勉強して進学校に行って、大人になって大手出版社から本を出さないと作家になれないという思い込みは間違いです。
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それは、大人にとっても気付きがある言葉ですね。やりたいことを先延ばしにするな、という意味ですよね?
準備してから勝負を掛けるんじゃない。いつも勝負し続けることが準備なんです。
準備運動して助走して、気がついたらゴール3センチ前にいたというのが本当のレースだと思います。僕は準備してから勝負という人生ではなかった。勝負を続けたその先に結論があるわけです。
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なるほど。親がそういう文化で生きていれば子どもにも伝えられるのでしょうが、なかなか難しいのでしょうね。親の心構えとして何が必要だと思われますか。
作文研に通う子でいうと、最初は全然書けなかった子でも、ある時ぐっと書けるようになります。でも、その後また書けなくなっちゃうブランクがあるんですね。それも成長の中で必要な時間です。でも、待てない親が多くなったなと思います。教育を成果主義としてみなすのは違います。子どもの胎動期を読まないといけない。
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先生が指導の中で一番大変だと思う点は、どんなことですか。
この教室に20人いれば、20通りの才能がある。全員同じことを書かせないように指導する上で、僕は自己解体しないといけません。つまり、自分がわかるものの中でしか考えようとしないと、相手のことを受け入れられないんです。相手を知るためには、自分の知識や経験なんてバラバラにしてみて枠を超えて、相手と一体化できるか?相手を理解できるか?捉えられるか?ということですね。それでないと指導なんてできませんから。自分が見えてくることで、自分を変えることができます。
---ありがとうございました。 先生は「ひとつの定点でやり続けることは大切」とおっしゃっていました。
継続は力なり、本当にそうですね。34年間、何千人もの生徒が先生の指導で「気付き」を得たからこそ、長い間信頼されて続けてこられたのでしょう。
言葉と格闘すると、自分自身を静かに見つめることができるようになります。
一生のうち、宮川先生と出会える生徒も親もかなりラッキーです。
作文のイメージに対する苦手意識がすっかり変わると思いますよ
<了>
取材・文/マザール あべみちこ
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