お嬢さんお二人共ラクロスをされていて、今はその指導と普及に努められていると伺いました。女子への食アドバイスは違ってくるものですか? 基本は好き嫌いなく食べて、ですね。スナック菓子や菓子パンでお腹をいっぱいにしないように。食べてもいいけれど、しっかりご飯を食べられるだけのスペースを残しておくこと。僕は現役時代かなりうるさく食を考えていたので、子どもはそれを辛そうだと思っていたようです。好きなものだけを食べたいと言いますが、食生活をちゃんとしないと怪我にもつながってしまう。上を目指してトップへ行きたいなら、そういうこともやっていかないとならない。自分で判断しなさい、と伝えています。食について助言するのは実体験から。どのように続けるかは本人次第。娘には常にそう話しています。 練習だけではなく、生活をトータルで考えないといけないのですね。子育てには、どのように関わってこられましたか? 子育てしながら自分も育ててきました。子どもは親のちょっとしたことを見ています。親の言動を真似しますし、だからこそ自分自身の言動も見つめ直さないといけない。言葉遣いや行動も含めてちゃんとしなくてはと思いましたね。僕は土日は家にいない分、平日は夕方から家にいる時間が長かったので子どもの面倒を楽しんでみてきました。子どもの頃、両親が働いていて留守でしたので、僕は子どもとなるべく一緒の時間を増やしてあげたいなと。公園で子どもの遊びを担当するのは僕の役目。親が楽しんでいる姿勢を子どもも薄々感じ取ってくれて、習い事はしない分、僕と一緒にいろんな遊びをしてきました。二人とも今のところ平和に暮らしています(笑)。長女は大学1年生、次女は高校2年生で親の手を離れ、もう大人です。娘たちはオリンピックを目指すというので僕はそれをサポートしたい。2028年のオリンピック競技になるかもしれないラクロスはアメリカが強いスポーツで、ロス五輪でオリンピック競技になる可能性があるという話です。どんな時代になるかわかりませんが希望は持ちたいです。 中澤さんご自身がサッカー選手として子どもたちにその背中を見せてこられたのですね。 親の背中を見せること。それが一番子どもに効くと思います。子育ての本もいろいろ読みました。上の子が幼稚園生の頃「褒めて伸ばそう」という本が流行って実践してみました。何があっても叱ってはいけない。褒めて褒めて褒めまくれ…と。そうしたら子どもが図に乗って、いろんなことをやり始め…これはダメだろうと。それからは線を引いて、やっちゃいけないことはしっかり叱るようにしました。褒める時は褒めますが、叱る時は叱る。褒めて伸ばすのは、時と場合にもよると思います。何かを取っちゃう、隠す、嘘をつく…ことは褒めずに叱りました。人としてやってはいけない。パパもやらないことをやるのは、おかしくない?と話して聞かせましたね。そう諭す以上は、自分もちゃんとしなくては…。 コロナ禍で制限の多い一年でした。この時代をどう乗り切ればいいと感じられますか?子育てする親世代へメッセージをお願いします。 僕もだいぶ仕事に影響がありました。いろいろやり方も変わってきて新しいものにチャレンジする機会も増えました。製作スタッフのサポートもありYouTubeも始めました。現役時代はサッカー選手のイメージを気にして仕事を選んでいましたが、今は人間としての幅を広げるためにも頂いたお仕事はスケジュールが合えばお受けしています。 子育て中は特に、親の背中を見せることが大事だと思います。自分が子どもの頃はどうだったか?を振り返ってみること。闇雲にあれやれこれやれとなってしまうと、もしかすると子どもが好んでやっていない可能性もあります。親の背中を見せていけば、子どもはまっすぐ育つと思います。 コロナ禍で親も子もストレスがあると思いますが、逆にコロナ禍になったために、家族で過ごす時間、お子さんたちに向き合う時間も以前よりできた方も多くいらっしゃると思います。その時間を何か一つでも、一緒に楽しめる時間にしてほしいです。この大変な時期を一緒に乗り越えていくことがきっと未来の親子の絆につながると思います。 ---ありがとうございました! 2021年1月リモートによる取材・文/マザール あべみちこ 中澤 佑二 書籍紹介
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