中澤 佑二(なかざわ ゆうじ) 元日本代表プロサッカー選手 「食トレ」おもしろく拝読させていただきました。強い体づくりのために取り入れてきた食について詳しく解説されていて改めてなるほど!と思いながら読み進めました。スポーツ選手だけでなく、コロナ禍での体づくりに貢献できそうです。子どもの頃はどんな食事を? 小・中・高は基本的に出されたものを食べていました。母も仕事をしていて共働き家庭。忙しく帰ってきて、さっとご飯を作るのでそれほど食事へのこだわりはありませんでした。僕は風邪をひきやすい虚弱体質で、怪我もしやすかった。身長は中3時で174-5cm。そこから高校で10センチ伸びて185cmになりました。体の大きさは小学生の頃、中の上くらい。急激に伸びたのは中学生から高校生にかけてで、これは牛乳のおかげ。それと早寝早起きだと思います。父は175、母は165、3つ上の兄は174-5cmくらい。僕だけデカイ。牛乳を飲むことと、一定の生活リズムを大切にしていたほか、特別なことはしていません。 生活リズムは体づくりに大きく影響するのですね。炭酸飲料は飲まなかったとか。お酒も飲まれませんし、揚げ物も現役時代は避けられていたとか。凡人には難しいストイックさですが、周りの選手も食事に信念を貫かれていらした? プロ選手にとって、食へのこだわりは今でこそ当たり前になりましたが、当時は好きなものを食べ、お酒も飲み、練習を頑張る…というスタンスの選手が多かったです。 僕はサッカーを始めた時期は小6から。プロになる人は大体が小学校低学年から始めますので4~5年遅い。相当時間を費やさないとその差は埋められない、と言われるくらいサッカーを始めた時期は大切です。僕は「プロのサッカー選手になる」と決めた中学の時から、練習をがんばると共に僕なりの食トレを始めました。自分でもいろいろ調べてみると甘い炭酸は体には良くない、だったら牛乳を飲んだ方がいいと。喉が渇いた時は牛乳か麦茶を飲むようにしました。 食へのこだわりはギャップを埋める策でもあったのですね。6年生でサッカーを始めて3年後の中3でプロを目指すと決意されたのはダントツでうまかったからですか? 小学生の時は水泳も習っていたけれど、コーチがスパルタで怖くて辞めました。書道も通いましたが、すぐ飽きてしまった。毎日一緒に空き地で遊んでいた友達がサッカーを始めるというので、じゃあオレもやろうかなと。それがきっかけでした。友達に誘われたからで、自分から進んで…というわけではなかった。中学校でも部活動があまり好きでなかったんです。先輩後輩の関係が大変でしたし、あまり上手ではなかったので練習してもおもしろくなくて。練習も厳しくて、ただなんとなくでやっていましたが、中3で「プロサッカー選手になる」という目標ができてからは自発的に取り組むようになりました。 とても意外ですが、中3で目標をもってからフルパワーだったのですね。小学生時代、サッカーを始める前は何か夢を持っていらした? 全然、何のイメージも目的もありませんでした。体を動かすことは好きでしたが勉強全般そんなに好きではなく、昭和の体罰がある時代で先生は怖いし、大人が怖かった。怒られる環境で育って、飛び抜けて何かをしたいというのはなかった。スポーツをしている時は目立っていましたが、それ以外は目立たない子でした。野球とか一通りスポーツは、放課後の校庭で遊んでやっていました。野球チームも地区にない田舎でしたからスポーツ全般盛んではなく、田んぼの中にある学校に通学するのは農家の子どもたちが大多数でした。 |
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