ご自身の願望より、目の前で困っている子を何とかしたいという使命感があるのですね。 おこがましいですが関わった人々を癒やしたい。それが生きている意味かな。同時に、人生でいろんなことを経験させて頂いているのは、神様が私に何かを経験させているのかな。人間という生き物を実験しながら生きている感じです。いいことも悪いこともたくさんあります。苦しんだ感情も大切に生きてきた。苦しみから見つけた言葉をこの本に書いて、次の世代にメッセージとして伝えています。 習い事や教育を考える親に何かアドバイスをいただけますか? 子どもにこうしてほしい、こうなってほしいより、何がしたい?どうなりたい?と聞いてあげてほしい。選択肢を与えてあげてください。本当にその子が何をしたいのか?結果を恐れず経験させて、途中でやめても叱らずに、本人に主張をさせてあげて。失敗するからこそ、この道ではなかったと学べるし、うんと迷子にさせてあげて。その子が好きなことを見つけられるまで後ろから見ていて、その子が這い上がれるように親も弱さを見せてあげてほしい。 子どもは親になんて言えばいいかわからず、一生懸命いろんな合図を出します。お腹が痛い…というのも何回か続くことに意味がある。怖くてSOSが言えないんです。 信号を親がキャッチしなくてはですね。では、この先の時代を生き抜くためのお言葉を。 自分の心に「私は幸せなのか?」と問いかけてみて。一番置いてけぼりにしているのは自分自身。自分の心がキャパオーバーになっていないか。心の悲鳴に気づけるか。丁寧に自分とまず向き合って、社会と向き合う前に、自分がまず穏やかで幸せか?心の声に気づいてほしい。 親子関係でうまくいかない時。たとえば子どもが不登校になると親は自分を責めます。他の子ができているのになぜうちの子は…と比較したり。他人にどう見られるのかを気にして生きているわけじゃない。自分自身がまずどう生きたいか?人の目を気にする以前に、自分の目を大事にしてほしい。どんな人間も欠けているからこそ、その人の良さがあります。欠点は一番の良さ。弱さが長所になる。そういうふうに自分を好きになる人が増える社会になるといいなと思います。 めちゃめちゃ素敵なサヘルさんなので、恋人と「一緒に暮らそう!」的なお話は? やるべきことがたくさんあるので、今はそこに意識が向きません。養母は大切な存在ですが、私は家族を知らないので自分の家族をイメージすることができない。0歳から5歳くらいまで子どもは愛情を注がれているか?で後々すごく変わります。私は7歳まで家族がいない状態で育って、家族を実感できていません。もちろん大切だと思える人はいますが。でも今は映画を仕上げることに集中したい。ロールモデルが社会に出ていくのを見届けたい。お母さんが生きている間は全力でお母さんに向き合いたい。私は不器用なんですね。 ---ありがとうございました! 2022年3月リモートによる取材・文/マザール あべみちこ サヘル・ローズ 書籍紹介
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