なるほど。さまざまな問題が合わさっていますね。そもそもなぜこんなに中学受験をする家庭が増えたのでしょう。私もその一人に加担しちゃっていたのかもしれませんけれど。うちは母子家庭なので決して裕福だから私立へというエリート意識も無いですし、東大を目指すほど頭脳明晰な子どもを育てているわけでもありません。息子自身がサッカーを6年間続けてできる環境で勉強したいという単純な理由から始まった中学受験で、公立小・中・高で育ってきた私は「私立に何があるの?」と、さんざん息子と話し合ってきました。 色んな要因があると思いますが、中学受験ブームが過熱した背景に、ゆとり教育批判や公立不信とセットになった私立中高一貫校幻想があるのは確かでしょう。 第一志望に合格しても、通ってみたら皆学力が高くて授業に付いてゆけずに不登校になるとか、校風にどうしても合わず……などの理由で公立中へ転校するケースが増えているようですね。これも中学受験の歪みでしょうか。 経済的な理由でなく中途退学するケースが増えていることは、東京都の公立中学の校長会がデータをもとに問題視していましたね。そういうデータはなかなか公表されません。最近では私立大学の情報公開が徹底されてきていますから、私立中高一貫校もそうあるべきじゃないでしょうか。そうすれば、「公立が悪くて私立がいい」ではなく、問題を抱える私立と、本当にいい私立があるということがはっきりすると思います。 公立vs私立のような構図もおかしいですし、公立を批判するところから私立を目指すのはやめませんか?という提言も含めて「亡国の中学受験」をお書きになっていらっしゃるので、とても中立的な俯瞰の立場で中学受験を語られていますね。本当におもしろくて、F学園とかA学園とかあの学校のことでは??という話がいっぱいありました。 そうかもしれませんね。私が取り上げたような事例は、めずらしくもなんともない、前から噂になっていたことですから。「ああやっぱり」と思われる方は多いと思います。 親のみならず、教育現場に携わっている教師にも読まれているほどおもしろいわけですね。 中学受験生をお持ちの親御さんが一番気になるのはそこですよね。私が見聞きしてきた限りで、ある年から急に「これから伸びる学校」と騒がれ出し、ほうぼうに広告が掲載されたり、「今年はこの学校がおすすめなのでみなさん受けましょう」と勧められるような学校には、逆に慎重になった方がいいように思います。 |
|