鏡さんが占いの魅力にひかれたのは何がきっかけでしたか? 10歳頃に、どう使うかわからないままタロットカードを買って……魔女っ子メグちゃんとか、なんとかレンジャーとか、当時放送されていた魔法使いのアニメやドラマに影響されたところもあったかもしれませんが、オカルト的なことにとても興味がありました。それで、タロットの使い方を調べるために本を読み漁るうちに、西洋占星術やユング派の心理学とも深くつながっていることがわかってきた。 誰にも勧められたり、強制されたりするのではなく、自分で興味のあるものを見つけられたのは、すごく幸せなことでしたね。「16歳の教科書2」(講談社)のインタビューでもお答えされていましたが、「天才高校生占い師」として連載を持っていらしたとか…その頃から今の道筋ができていたようですね。 その頃、ある雑誌に占い診断コーナーがあって毎回投稿していたんです。「この星の位置にある人の運勢を占いなさい」というようなお題に、自分なりの診断を書いて送るという。それで毎号優秀賞をもらっていて、ある時「きみは占いの才能があるから東京へこないか」と、その投稿コーナーを監修されている方から連絡がありました。 鏡さんは内に秘めたエネルギーがありますね。高校生として学校でちゃんと学業に励みつつ、一方で占いへの興味も高めつつ、大学受験もちゃんとクリアされた。 母もそういう僕の趣向がわかっていたので海外出張があるたびお土産には、タロットや水晶玉をリクエストしたものです。東京へ出張がある時は、母に同行して当時五反田にあったトランプショールームへ行ってみたり…。 タロットはどのくらい勉強すれば技が身に着くものですか? 僕は、占いをあてることにほとんど関心がないんです。占いって、実践ばかりに注目が向きがちですが、占星術なんてルネサンスや古典時代では文化の中枢ですよ。 これがわからなければ文化はわからない。今から見ると占いは「迷信」で「非常識」ですが、逆に何を指して迷信と言っているかがわかれば、いま、ぼくたちが立脚している「常識」も初めて批判的にみることができます。占いは信じて使ってもいいし、さらにいえば、それをいまの自分の価値観を批判的に映し出す鏡としてもいいんですよ。これは結構、高度な使い方ですが。 |
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