先生は北海道でお育ちになられたということで、どんな幼少期を過ごされましたか? 自然の中で過ごすのが好きで、のんびりしていましたね。時代は高度経済成長期でした。テレビやアニメも始まり、たて続けに創刊されたマンガ雑誌も大好きでした。習い事はピアノ、お習字などお友達がやっていることは一通りやらせてもらいました。 何でもお出来になりそうですが、習い事で続いたことや好きなことを発見したことはありましたか? ピアノが好きで、自分では得意と思っていました。でもある時、先生が旦那さんの転勤で移転されてしまい、後任の先生に習うことになりました。そうしたら基礎がまったくできていないことがわかった。前の先生は褒め上手だったんですね。そんなこともあって小学校時代にピアノは辞めてしまいました。何も得意でなかった。運動もできませんし、学校では器楽演奏するブラスバンドクラブ。新聞部に入って校内新聞を作っていました。 ご家庭でお母様お父様は、教育方針がおありでしたか? 特になかったですね。やりたいことはやらせてもらいました。「○○をやりなさい」と指示されることがなかったので、勉強しなさいと言われたこともありません。当時はよその家庭も皆そうだと思っていましたが、大きくなってから振り返ると『もうちょっと期待してくれてもよかったのになぁ~』と思うことはありますね。 今の子どもたちを見て感じることはありますか?例えばゲーム機器は昔ありませんでしたから、時間の過ごし方が違いましたよね。 ゲームは無かったけれど、私は漫画もテレビも大好きでした。目の前の現実が好きな子もいれば、現実ではないバーチャルな世界が好きな子もいる。それは今も昔も変わらずにいるけれど、それ自体が悪いこととは思いません。子どもが変わったわけではないと思うんですね。昔は「社会に対する信頼感」があった。「知らない人に道を聞かれたら親切に教えましょう」と教えられたと思いますが、今は「知らない人に話しかけられたら絶対答えてはいけない」と教わります。不信感を抱かざるを得ない状況が、とても気の毒ですね。 ⇒ [3]を読む |
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