元祖イクメン俳優としてお子さんともしっかり関わってこられたそうですね。 僕は母性のカタマリ。女性に母性があるというのは違いますね。子どもと一緒に過ごすことで父親にも母性は生まれてくる。息子は26歳になりますが東京芸大の大学院で「先端芸術」を、具体的には世界中の祭事を研究しています。今は大人になって偉そうにしていますが、彼の幼い頃に食べさせたり寝かせたり一緒に過ごしたのは僕なんだぞと。かわいかったあの子はもういない(笑)。 息子さんが学者さんの道へ進まれたのは、長谷川さんが自分の好きなテーマを存分に追究されていたDNAを継がれているようですね。 僕は学校の先生が教えてくれることと、自分で調べて得た知識がなんだか違うということに気がついて、常に「先生が正しいのか、自分が正しいのか」と裏付け取るために勉強していました。ある時、僕と同じ考えをもつ教育者の本と出会って、これは素晴らしい!と。それで息子を、その著者が校長先生をされていた和光小学校へ入学させました。 素晴らしい教育理念で有名な学校ですよね。 息子は自由な保育園で泥まみれで野生児として遊んで育ってきましたが、途中引っ越しで転園。そうしたら伸び伸びと育っていた彼が「手に負えない子ども」として保母さんに扱われてしまった。僕は息子が天才と思って育ててきましたから、彼の良さを伸ばせる教育とは何だろうと考えた。小学校受験なんて考えもしませんでしたが、校長先生へ著書に感銘を受けたことを伝えるお手紙を書きました。 そこで息子さんの才能が開花されました? 小学2年生頃に授業参観へ行った時の話です。先生が「これわかる人?」と聞いて「はいはいはい!」と元気よく手を挙げている一方で、「これわからない人?」と聞いても同じように「はいはいはい!」と挙手していた。わからない時、手は挙げないものだろうと家に帰って息子に言うと「お父さん、それは違うよ。わかる時はもちろん手を挙げるけれど、わからない時も手を挙げてわかるまで教えてもらうんだよ」と。そうか!と目から鱗でした。それと同時に子どもの感受性の素晴らしさを思い知りました。
---ありがとうございました! <了>
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●映画公開予定情報
高峰譲吉…。1854年、加賀藩の御典医であった家柄に生まれ、消化酵素タカヂアスターゼの発見、止血剤で有名なアドレナリンの結晶化などノーベル賞級の偉業を果たした。研究を産業と結びつけて富を生む事を実証して見せ、20世紀初頭の世界をリード。日米親善にも心血を注いだ人物である。 |
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