宇城 憲治 (うしろ けんじ)さん
1949年宮崎県生まれ。 宇城先生が実践しておられる「気」について今日はたくさんお聞きします。まず、先生は経営者であり、技術者でいらっしゃいます。著書には“『心を放つ、放心する、心を大きくする』心の根源こそが60兆個の細胞をもった身体にある”“身体の60兆個の細胞をいやおうなしに活性化させる”…など、細胞と心のつながりについて述べられていますが、これはどのような意味でしょう? 人間は生命体として完成形であり、統一体であり、60兆個の細胞であります。また実体はありませんが、実際存在する心や気質、魂の根源もまさに身体先にありきの60兆個の細胞があるからこそ生まれてくるものです。そしてそれらは自分の生き方によって逆に身体に影響を与える大事な存在となります。 「身体先にありき」というのは大変わかりやすいです。体の調子がよいと心も軽くなるし、その逆も然りです。つながっているものなんですね。 ところが今の教育は、身体より先に頭で理解をさせようとします。受験勉強や暗記など、その典型です。身体を停止して知識偏重になった結果、真心が失われてしまった。「挨拶をしましょう」というスローガンではなく、身体を通して感謝の心を育てる。「いじめをなくしましょう」ではなく、人を思いやる心を育てる。そして、人として最も大切な「愛」を、言葉でなく行動で示せる人間を育ててゆくことが大事なのです。これらは今の教育システムから完全に抜け落ちていることです。 おっしゃる通り知識を詰め込んで点数化することで優劣が決まっているように見えますが、それって一瞬の優越感というか。長い目で見れば、子どもも大人も健康であることが大切。そして健康とは、身体がまずそうであって心も引っ張るものなんですね。 教育では答えがあるものをお手本とします。答えのない、前例のないものは否定されがちです。「現在の知識」としてわかるようにねじ込んでしまう。「宇宙の95%は未知である」ということに対する畏敬の念を失わせる要因となり、宇宙の創造物である人間のエネルギーを奪い取っているとも言える。私たちがわかっている5%の世界から物事を見たり判断することは、実は「横着」なことだと気づかなければなりません。
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