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海外でも高く評価されるバレエダンサー 首藤康之さん今夏1週間、神奈川芸術劇場(KAAT)で開催されたワークショップにて。
確固たるメソッドを身につける、基礎の大切さ『今夏1週間、神奈川芸術劇場(KAAT)で開催されたワークショップにて。』 photo  喜多剛士

首藤さんは誰かから言われてバレエを習ったのではなく、自らの意欲で続けてこられたのですね。現在は全国各地から未来のバレエダンサーを目指す男子をご指導されていらっしゃるとか?

はい。去年までは男子のみのクラスを行っていました。沖縄から北海道まで約80名が日本各地からバレエ男子が集まり、小1~3、小4~6、中高と3つに分かれてレッスンしました。クラス全員男子で、教えるのも男の先生というシチュエーションは滅多にない経験で、みんな仲間意識が芽生えてとても仲良くなりました。
今年からは男女混合にして、クラシックバレエのクラスの他に、コンテンポラリー、マイムムーブメントのクラスを加え、色々な方向からダンスをみるワークショップを神奈川芸術劇場(KAAT)という劇場内の稽古場で1週間開催しました。はじめての試みでしたが、すばらしいワークショップになり、子どもたちは様々な方向からダンスを見つめ、その中でも沢山の発見をしたようです。
子どもたちへ指導するのは、最初、自分が何を教えられるのか?不安がありました。僕は東京バレエ団で18年間、その前を合わせればバレエ生活25年間過ごしています。その経験やバレエのメソッド、基礎の大切さを伝えていくことはもちろん、挨拶やアーティストとしての礼儀や佇まいなどを伝えていければと思いました。

子どもたちが7日間集中レッスンを受けるだけでもすごいですが、この先伸びる子は見ていてわかりますか?

バレエレッスンは通常1時間半。でも小学校の授業は50分ですから、小さな子はせいぜいそのくらいで集中力は途切れてしまいがちで、だんだん疲れて騒いだり、はしゃいだりします。でも伸びる子は目指している姿、佇まいが違う。中学生以上になるとプロを目指すという明確なイメージができている。皆、同じ格好でレッスンをするので、意識の違いがものすごく見えます。

「基礎の大切さ」ということを何度かお聞きしましたが、プロになるためのスキルが、先々プロにならなかった時も生きるものなのですね?

はい。たとえプロのバレエダンサーにならなかったとしても、「あの時、先生に言われたのはこういうことだったのか」と思い出してもらえればと。バレエの素晴らしさ、なぜバレエをやるのかを自分自身の感覚でわかってほしい。小さな子には言葉で説明してもわからないこともあります。たとえば「常に…」という言葉を言うと「ツネニってナアニ?」と聞いてきます(笑)。その時は体現して視覚から伝えます。

集中力が切れてしまってうるさくする子に、首藤さんはどんなふうに指導を?

「うるさいぞ!静かにしろ!」と怒鳴りつける人もいますが、僕の場合は黙って静かになるのを待ちます。子どもは動物的な本能で理解します。僕がピアノも止めて、何も言わずに立っていると、自然と静かになるのです。そういう駆け引きも楽しみながらやっています。以前、子どもたちに将来の夢は?と聞いた時に、小さな子どもたちはプロのバレエダンサーだけでなく「踊れる宇宙飛行士」や「踊れる野球選手」など答えもいろいろでした。子どもって言葉ではなく、本能的な力がある。それをダンスにいかしてもらえればと思っています。とにかく基礎が大切。毎日のレッスンを尊重する心を早い時期にもてば、テクニックや色々なことがあとからついてくると思います。

『中学生になるとプロを目指す生徒もいて、意識の違いが顕わに』 photo 喜多剛士

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