首藤 康之 (しゅとう やすゆき)さん 15歳で東京バレエ団に入団。19歳で「眠れる森の美女」王子役で主役デビューを果たし、その後「ラ・シルフィード」、「ジゼル」、「白鳥の湖」等の古典作品をはじめ、モーリス・ベジャール振付「M」、「ボレロ」他、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン等の現代振付家の作品にも数多く主演。また、マシュー・ボーン振付「SWAN LAKE」では“ザ・スワン/ザ・ストレンジャー”/“王子”役で主演し、高く評価される。04年、「ボレロ」を最後に東京バレエ団を退団、特別団員となる。以降は、浅野忠信監督の映画「トーリ」に出演、ジョー・カラルコ演出「SHAKESPEARE’S R&J」でストレートプレイに出演する他、東京バレエ団「牧神の午後」、「ペト ルーシュカ」、「ギリシャの踊り」に客演。07年には自身のスタジオ「THE STUDIO」をオープン。その後もベルギー王立モネ劇場にて、シディ・ラルビ・シェルカウイ振付「アポクリフ」世界初演。小野寺修二演出「空白に落ちた男」に主演。最近では「The Well-Tempered」、「時の庭」等、中村恩恵との創作活動を積極的におこなっている。また、ドイツ・デュッセルドルフにて、ピナ・バウシュが芸術監督を務めるNRW国際ダンスフェスティバル、アイルランドのダブリン国際ダンスフェスティバル他、海外のフェスティバルにも数多く出演等、国内外問わず活動の場を広げている。 ≫ 首藤康之さん公式サイトはこちら プロフィールを拝見すると、15歳で単身上京されて東京バレエ団へ入団されたそうで。ずいぶん早くにご自身の進む道を決められました。首藤さんがバレエを始めたきっかけは何でしたか? バレエを始めたのは小学3年生からでした。実はそれには理由があって、8歳の誕生日に両親からミュージカルのチケットをプレゼントされました。僕の生まれ育った大分県では大分文化会館という劇場が、その当時一番大きくて、さまざまな公演が行われていました。初めて鑑賞したミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」にとても感動して。幕が上がった舞台の上は別世界。ここだ、劇場という自分の居場所を見つけた!という感覚でした。15歳で上京し東京バレエ団へ入ってからは、四六時中バレエのことだけ考えていればよかったのでとても幸せでした。 客席から「あのステージへ立とう」と。幕の向こう側で演じたいと感じられたのが8歳!感動体験だったわけですね。今でこそ男子バレエダンサーも増えてきたと思いますが、当時はいかがでした? 女の子の友達が通っているバレエ教室に通うことにしましたが男子は僕だけでした。でもまったく違和感がなかった。最初はタイツ姿にとまどいがありましたがバレエのレッスンが大好きで週2回でしたがレッスンのない日も教室へ通うほどでした。誰かに強制されたのではなく、踊ることが楽しくてしょうがなかった。それでも男子の友達にはバレエをやっていることを何となく秘密にしていました(笑)。小学5年生の時発表会で、初めてソロを踊りました。 バレエを始めて2年間メキメキと上達されて。初めてのソロは上手く踊れましたか? それが…初めて緊張感というものに襲われました。もし失敗したらどうしようと思うとガクガク震えてしまって。名前を呼ばれて舞台に立つまで凍りつくような気持ちでしたが、足元にスポットライトを浴びると、ふわ~っとそれが消えて不思議と踊れました。それまであじわったことのない恐怖から、それまであじわったことのない快感を体験した。小学校時代はバレエのレッスンをすることが楽しみで、学校での生活よりむしろ放課後が中心に回っていました。 |
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