三姉妹に同じ習い事を強制していないのは高野さん流で素晴らしいと思いますが、学校の部活以外に何か習っていらしたのですか? 長女は音楽が好きなので、クラシックギターと和太鼓を6年ほど習っていました。受験期になって少しお休みしていましたが落ち着いたら復活するようです。次女はピアノとバレエを習っていたものの、すぐにやめてしまいましたが。三人の誰かはピアノを選ぶかと思いましたが、誰もいませんでした(笑)。私自身、6歳上の姉と常に比較されてきたので、子どもたちには同じ習い事ではなく、好きなことをさせたいと決めていたのです。 三女さんは幼少期から体力のあるお子さんで…というお話がありました。サッカーと出会う前は何かスポーツをされていらしたのですか? 足腰が丈夫で、クライミングのスクールに通っていたことがあります。娘はどんどん上達して「上級クラスへ通わないか?」とお誘いを受けたりもしました。でも親のほうが尻込みをしてしまったんです。怖いものしらずな娘のこと、無茶をしてケガをしたら…と、心配でやめさせてしまったんです。娘はやりたいのに、続けられなかった…という思いがあったはずですが、それからサッカーと出会って、今度こそ続けたい!と。 今、小学3年生の三女さんはサッカーを熱心にされていますが、夢は「なでしこジャパン」? チームでは紅一点ですが、だれが見ても男の子に見えるので違和感を感じません(笑)。どんなに熱があってもケガをしてもサッカーには行きたがるし、チームメイトに少しでも追い付きたいと自主練も欠かしません。人数も多く鮮やかなプレーをする子が多いので、先日の試合ではずっとベンチでした。その日の夜は悔しいのと、ふがいなさからかボールを磨きながら延々と泣き続け、翌朝は目をひどくはらしたまま学校に行ったほどです。 悔しくて泣くのって、ほんの9歳でなかなかできない体験ですよね。そういうことがあると精神的にすごく成長すると思います。 親としては、そんなにつらい思いをしてまで続ける必要があるのかなと首をかしげてしまう。技術や体力の差もついてきたし、男の子の中でプレーするのは、そろそろ限界じゃないかとも。それでも「サッカーが好きだから続けたい!」と、まっすぐな目で言われたら、もうしょうがないかなぁと。泣きたくなるほど悔しい気持ちや挫折感、逆にあふれるほどの喜びや達成感は、決して学校では得ることのできない貴重な体験なのかもしれません。プレーでミスして涙ぐんだり、PKで成功して喜んだり、チームメイトを大切に思ったり、コーチを敬うなど…、いろんな感情をスポーツから学んでいるようです。親は子どもにとって給水場みたいな役割でいいんでしょうね。娘が自分からスパイクを脱ぐというその日まで、見守ろうと思っています。 泣けちゃいます…好きなことにまっすぐな人は年齢問わず応援したいです。そんなお子さんを3人も育ててらっしゃる高野優さんのあたらしい作品や活動が楽しみです。 2月末にはじめての絵本を出版予定です。ここ数年、めまぐるしいほどたくさんのできごとがあって…、ようやくそれを絵本という形にすることができました。また、去年から子育ての講演会のほかに、イラストのワークショップも始めました。子育ての講演会で、一人でも多くの保護者の方達にほっとした気持ちを、ワークショップでは一人でも多くの子ども達にイラストの楽しさを伝えられたらと思います。 ---ありがとうございました! <了>
活動インフォメーション
●高野優さん書籍情報
●講演情報 2月
3月
|
|