高野 優 (たかの ゆう)さん 育児漫画家 高野さんの三姉妹それぞれキャラクターが異なって、それがまた楽しくてエッセイマンガで長く連載されてこられました。育てる上で教育方針はありますか?どんなことを大切にしてお子さんと過ごされていますか? 方針というほど立派なことは、なにひとつしていないんです。元気であれば十分。あとは、夢中になれることが見つかればと願っています。人生の荒波に対して、仁王立ちでひたすら耐えて踏ん張るんじゃなくて、サーファーのように荒波をひょいっと越えられるような、そんな強さとしなやかさを持ち合わせられる人に育つといいなぁと思います。 高野さんのエッセイマンガを読むと三人のお嬢さんそれぞれが個性的。三人三様、今はどんなことに夢中なのですか? 長女は高校受験を終えたばかり。私が映画好きなので感化されてか舞台美術の仕事がしたいと。ところが昨年3.11があって心境の変化があったようで今はWFP(国連世界食糧計画)の活動に参加したいと言っています。ソフトボール部ではファーストをつとめ、今や背丈も私より大きいです。 三姉妹だと同じ習い事を習ったり、同じようなスポーツをしたりという傾向が多いように思いますが、見事に別々の好きなことを見つけてらっしゃいますね。高野さんの幼少期はどんな習い事をされていましたか? ピアノを12年、空手を9年間、習っていました。ピアノはなかなか上達しなくて、つまらないと感じていたことがあったんです。小学校高学年でスィングジャズと出逢ってからは、ジャズを弾いてみたいと先生にお願いをして、通常のピアノの教科書ではなく、弾きたい曲を自分で選ぶという形で通っていました。その後、ジュニアオーケストラに入り、中学からは吹奏楽と、音楽漬けの日々でしたが、ピアノの基本があったからこそ、より音楽を身近に感じることができました。 ピアノと空手というコンビネーションで習い事をされていた方って高野さんが初めてかもしれません。空手は何がきっかけになって通われたんですか? もともと空手を習うつもりはなかったんです。小学校の帰りに寄り道をしていたら、武道場で剣道をしている方達を目にして…。なんだか格好いいと思って母親に習いたいと話したところ、鍵っ子だったので家で留守番しているよりは、どこかで体を動かしたほうがいいと思ったのか、翌日、入会申し込みに行ってくれまして。でも、武道場は剣道と空手が交互に毎日使われていたんですね。たまたま申し込みの日は剣道ではなく空手の日だったので、家に帰ってきた母親が持っていたのは黒い剣道の防具ではなく、真っ白な空手着。「あれ~?」と思ったものの、好奇心からはじめました(笑)。一度はじめると、結果が残せるまで続けたいと思うほうなので、結局、黒帯になるまで続けました。学校では習うことのない、礼儀作法や静かな厳しさを学んだと思っています。 |
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