林先生が楽しいと思える分野はスポーツや音楽ではなかった…ということですが、その後、習い事で興味のあることは何かされましたか? 公文の教室に通ったのが小学校高学年から。どんどん進んで楽しかったし、僕自身のその後にとって、あの体験は大きかった。中学生の時には、ほぼ高校数学が終了していました。 勉強ができちゃって、できちゃって、しょうがない…ってうらやましいことですが、当時はどんな夢や希望をお持ちでしたか? はじめは歴史学者に、次は物理学者に、それから経済学者に。学者になることしか考えていなかったんです。勉強が好きですし得意ですし、一方で他のことは著しく不得意なんですから(笑)。僕は名古屋の中高一貫の私立校へ中学受験して入学しましたが、受験塾にも通っていませんでした。今の時代と事情が違うとはいえ、僕のように、ほとんど受験対策せずに合格するというのは珍しかったかもしれません。 聞けば聞くほど…勉強ができることが特技みたいですごいですね。でも進学校に集まる子は皆優秀ですからそれなりに努力も必要でしたよね? 中学に入学してから最初の中間テストは緊張しました。僕はそれほど学力的に高い子がいない小学校へ通っていたので、自分が本当はどの位置にいるのかわからずにいたんです。ですから、どのくらいの位置になるのかが心配で、本当に試験勉強しました。結果はクラス一番。それからもずっと一番でした。逆に勉強ができることは大したことではないと思うようになりました。頭がいいというよりも勉強に向いているかどうかです。 既に備わっている力と、努力して手に入れるスキルとがあって、現役で東大へ行かれた? 幼稚園前に百科事典を覚えてしまったり、小学校低学年で歴史に目覚めて年表や系図を書いたり、百科事典を写したり…。情報が処理しやすい脳ができちゃっていた。パソコンでいうと早めにバージョンアップができて処理能力が速い状態。それがずっと続いているだけです。現役で東大法学部に合格していますが、率直に申し上げて、ほとんど苦労はありませんでしたね。別に威張っているわけでもなんでもないので、くれぐれも誤解のないようにお願いします。東大がスゴイと皆さんおっしゃいますが合格ラインは案外幅広く、今年の二次試験で見ても、ある子は360点、ある子は230点で合格している。130点も違うのに意外と門戸は広く開かれているものです。問題はその先で、自分の適性をいかして何ができるかを見いだせるかでしょうね。 ⇒ [3]を読む |
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