■お二人の娘さんにとって、先生の存在は「お母さん」以上のものなのでは? どうでしょう(笑)。上は大学1年生、下は高校2年生です。産婦人科という仕事を選んだということは、当直、夜間の呼び出し、土日も問わず……なので家には居られない現実がある。私がいない時は、夫、ベビーシッターさん、ご近所さん、実家の母などたくさんの人に支えてもらってきました。今でも「お母さん」と呼ぶのは、週3回夕ご飯を作って、子どもたちの発表会に付き添ってくれたベビーシッターさんのことでもある。でも、上の子は「スポーツする人を応援したい」と、ハンカチ王子もこれから入学する早稲田大学のスポーツ科学部で、応援団のチアーをやっています。下の子はストリート系のダンスをしています。二人共個性豊かで、自分が好きなことを見つけてやっていますね。
■先生の背中を見て育っている気がしますね。先生の教育はどんな方針で? 習い事をやり始めるのってお金も時間も掛かりますよね。私は、本人にやる気と覚悟があれば応援しますが、それ無しでは成り立たない。習い事でも学校でも、どうしてもやらせてほしいという気持ちがない限り、私はお金を出す必要はないんじゃないかなと思います。
■確かにそうですね。先生は母親であると同時にクリニックの院長で、第一線の産婦人科医でもある。お子さんにはどう言葉掛けされているんでしょうか? 医師としてはもう20年以上やっているプロですが、経営者としてはまだひよっ子なので(笑)、「ママは自分に投資しないといけない。あなたたちは、自分で自分を育てなさい。ママは応援はするけれど、それ以上のことはできない」と言い渡してあるんです。まだ子どもですけれど、自分なりに考えようとしていますね。
■親の考え方がしっかりしていると、子どもは早く自立しますね。では、読者のお母さんに向けて先生からメッセージを。 女性一人ひとりが自分の価値に気づいてほしい。このクリニックでの出会いを、自分を育てていくキッカケにしてほしいですね。検診はお金が掛かるかもしれませんが、自分のために投資しよう、もっと大事に自分を輝かせようと思っていただきたい。美容院やカルチャースクールに行ったりするのと同じように気軽にお越しください。体の健康だけでなく、一人の人間として輝くためのキッカケになればと考えています。それを応援できる立場でいたいので、私も健康でないといけませんし、勉強しなくちゃね(笑)。
----ありがとうございました。ほんわか柔らかな語りと朗らかな笑顔。こんな素敵な産婦人科医に早く出会えていれば、私のお産はバラ色だったかも……。医師、経営者、母親、妻、そして一人の美しい女性である対馬先生。天は二物も三物も与えてしまわれるのですね。先生の柔らかさを見習って、もう一人授かるように頑張ります!・・・・って、こればかしは自分だけじゃ頑張れないものだけど(笑)。
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<了>
取材・文/マザール あべみちこ |
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